高校トイレに生理用品を試行配備 小中導入も検討 明石市
2021/07/08 05:30
トイレットペーパーと並べて備え付けられた、生理用品入りの専用ボックス(明石市提供)
兵庫県明石市は、市立明石商業高校(同市魚住町長坂寺)の女子トイレに生理用品を備え付ける取り組みを、1~20日の期間限定で行っている。モデル事業として生徒の受け止めなどを確かめた上で、同校での配備を続けたり、市内にある他の小中学校にも導入したりすることを検討するという。(長尾亮太)
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経済的な理由で生理用品を買えない「生理の貧困」に対する関心が新型コロナウイルス禍をきっかけに高まったことを受け、市は生理用品の支援事業「きんもくせいプロジェクト」を4月から開始。市立の小中高校のほか、若者や女性が立ち寄りやすい公共施設で配布している。
提供方法を巡っては、不特定多数が触れることから衛生面の課題があるほか、配布時に生活相談へつなげる目的もあるため、これまでは原則として対面で行ってきた。
ところが「児童や生徒にとって、先生に生理用品の相談をするのは心理的な負担が大きい」との意見が寄せられたため、今回のトイレに備え付ける試みに踏み切ったという。
モデル事業では明石商業高校の校内にあるトイレの個室全67室のうち、利用が多い45室に配備。生理用品を5個ずつ入れたボックスを水洗タンクの上に置き、いつでも入手できるようにする。
生理用品に関する生徒の声を集めるため、アンケートも行う。
泉房穂市長は「さまざまな家庭の事情があり、生理用品へのニーズはあると思う。続けられる場合は順次、市内のすべての小中学校などに広げ、市内の子どもはトイレに行けば生理用品がある状況にしたい」と話している。