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酸素を送り込み、微生物の活動を活発化させて水を浄化する=明石市大久保町八木
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酸素を送り込み、微生物の活動を活発化させて水を浄化する=明石市大久保町八木
浄化処理した水の放流口。谷八木川を経て海に流れ込む=明石市大久保町谷八木
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浄化処理した水の放流口。谷八木川を経て海に流れ込む=明石市大久保町谷八木
下水処理の過程を一元管理するシステムのモニター画面=明石市大久保町谷八木
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下水処理の過程を一元管理するシステムのモニター画面=明石市大久保町谷八木

 イカナゴやノリ、タコなど明石が誇る魚介や海産物に不可欠な「豊かな海」を取り戻そうと、兵庫県明石市大久保町八木の大久保浄化センターで、放流水に含まれる窒素の濃度を高める試行錯誤が続く。もともと全国でワースト3位だった谷八木川の水質をきれいにするためだった浄化能力を抑え、一定の窒素を確保する試みだが、コントロールを要する相手は微生物。なかなか一筋縄ではいかないようだ。(小西隆久)

 かつて工場排水の流入などで水質が悪化したことから1973(昭和48)年に施行された「瀬戸内海環境保全特別措置法」。同法のもとで明石の海も水質改善が図られてきた。

 しかし、近年は海の生物の成長に必要な窒素やリンといった「栄養塩」の濃度が低下。結果的にノリの色落ちやイカナゴの不漁などにつながっていると指摘される。

 こうした問題の解消に向け、県は2019年、海水に含まれる窒素の濃度に下限基準を加え、一部の下水処理場から流す水の窒素濃度を高める試みに着手。明石市内の浄化センター(下水処理場)でも栄養塩の回復に向けた取り組みを始めた。

 ところが大久保浄化センターの場合、水質を点検する環境基準点の位置を巡って問題が浮上した。処理水を放流する谷八木川の下流に基準点があり、処理水に含まれる窒素濃度が高まると水質が悪化したと判断されてしまうためだ。

 基準点の位置を上流に変更する案などが市議会で取り上げられたが、基準点は県が設置しており、長らく協議が進まない状態が続いていた。

 そんな中で解決の糸口となったのが、下水処理場からの排水に含まれる生物化学的酸素要求量(BOD)だ。汚染度を示す指標の一つとして測定されているが、市が独自にBOD値の評価方法を決めることができる点に着目。評価方法を変更することで、水質の基準値はクリアしたまま、放流水の窒素濃度を上げることが可能になったという。

 とはいえ、96年に稼働した大久保浄化センターは、谷八木川の水質浄化のため、窒素を取り除く能力に特化した施設。ツリガネムシやクマムシといった微生物が含まれる泥に大量の空気を送り込んで下水を処理する仕組みで、窒素濃度の調整が難しいという。

 今年1~3月の試験実施では、平均窒素濃度が4割上昇。他方、調整を誤ると増えすぎた汚泥が水面で固まり、浄化できなくなる弊害も生じ、運転の安定化に向け、現在も試行錯誤が続く。同センターは「豊かな海を取り戻すため、少しでも有効な手段としたい」と意気込む。

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