もったいない…粗大ごみを修繕・販売 10年で千点超再生
2021/08/09 05:30
粗大ごみの収集品を再生させた家具が並ぶ展示場=明石市大久保町松陰
明石クリーンセンター(兵庫県明石市大久保町松陰)にある市の「リサイクル家具展示場」が、開設から丸10年を迎えた。回収した粗大ごみをよみがえらせる取り組みは、不要品の再使用(リユース)の実践活動として位置づけられ、これまで引き取られた家具は千点を超えた。「もったいない」の精神を醸成する場としても大切な役割を果たしている。(有冨晴貴)
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同センター管理棟内のリサイクル家具展示場。約35平方メートルのスペースに、たんすやいす、机など25点が並べられている。販売価格は500~1500円。購入希望者が複数ある場合は抽選となり、2カ月ごとにすべて展示品が入れ替わる。
同センターによると、運び込まれる粗大ごみには修繕すれば十分に使える家具が多く、「もったいない」と職員が感じたのが展示場開設のきっかけとなった。
職員が状態が良いものを選別し、塗装を塗り直し、小さな傷にやすりがけをして修繕。2011年5月からリサイクル家具として展示、販売を始めた。
営利目的ではない上、民間のフリーマーケットなどの妨げにならないように配慮し、当初は30点、現在は25点と展示数を限定。市内在住者を条件に、1回に1世帯が購入できるのは1点のみで、その後1年間は申し込めない。20年度までに計1490点を展示し、7割に相当する1058点を販売した。
市が「持続可能な循環型のまち」を基本理念に掲げ、12年度に施行した「一般廃棄物処理基本計画」では、同展示場を不要品の再使用の推進拠点とすることを明記。開設以来10年間にわたり、ごみの発生抑制など市民意識の醸成に寄与してきた。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で20年度は来場者が急減。前年度比16%減の222人にまで落ち込み、本年度も過去最低を更新する見込みで外出自粛やネット通販の普及などの影響が大きいとみられる。
福村安司・資源循環課長は「この10年で一人一人の取り組みが重要だと認識している市民が増えているように思う。引き続きこうした地道な取り組みを続けていきたい」と話す。