明石市の5千円分飲食券配布案 批判や慎重論相次ぎ結論出ず

2021/08/12 05:30

明石市役所=明石市中崎1

 兵庫県明石市議会の8月臨時市議会が11日に開会し、飲食店支援などのため、全市民に5千円分のサポート利用券を配布する事業費を計上した2021年度一般会計補正予算案が提出された。議員からは「ばらまきでは」「今すぐに必要な事業か」などの批判や質問が相次いだ。本会議後の生活文化常任委員会で賛否の結論が出ず、継続審査となった。 関連ニュース 台風7号兵庫を縦断、21人重軽傷 13市町34万人に避難情報 県、被害相次いだ香美町に災害救助法を適用 JR西、16日の始発から運転再開 福知山線や播但線など一部区間は昼~夕方に 「曽祖父の戦争知りたい」神戸の高校生 祖母の記憶継承、平和願う気持ち新たに

 新型コロナウイルス緊急対策の一環である同事業は、市民約30万5千人に1人当たり5千円分の利用券を配布。市によると、市民の生活支援と営業時短などで苦境が続く飲食店などを支える狙いがある。事業費は17億1500万円。
 本会議では、議員から「事業費に見合う効果があるのか」「単なるばらまきでは」などの質問があり、泉房穂市長は「市民の生活を支援し、その全市民で業者を支える取り組みであり、ばらまきには当たらない」と述べた。
 生活文化常任委員会でも、議員側は「スピード感も大事だが、本当に緊急性がある事業なのか」と指摘。市は「市民の閉塞(へいそく)感を打ち破り、事業者にも元気になってもらうためにはこのタイミングが最適」との説明に終始した。
 採決では「反対ではないが、あまりに拙速な提案で慎重に議論が必要」として賛成多数で継続審査を決定。議会事務局によると、継続審査となった議案は議会閉会中などに同委員会を開き、審議するという。
 市によると、8月議会で可決されなかった場合、同券の郵送や利用期間など市が想定していたスケジュールに遅れが生じるという。(小西隆久)

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