明石で高齢者のコロナ感染割合が低下、65歳以上の9割接種済み

2021/08/24 05:30

神戸新聞NEXT

 新型コロナウイルスのワクチン接種で、兵庫県明石市は対象年齢を40、50代にまで拡大し、今月下旬から順次接種を始める。新型コロナウイルスの「第5波」が勢いをみせる中、既に対象年代の9割がワクチン接種済みの65歳以上の高齢者は、感染者に占める割合が下がっており、ワクチン効果が一定程度は確かめられた格好だ。1回目の接種率が18%にとどまる64歳以下に対する接種の進み具合は、今後の感染の広がりを左右しそうだ。(長尾亮太) 関連ニュース コロナワクチン定期接種1日開始 高齢者ら対象、国助成なし コロナ感染2週ぶりに減少 前週比0・82倍 米、コロナワクチン推奨終了へ CDC諮問委、個別判断に


 8月(1~23日)の感染者の年代別の割合をみると、60代は4・2%と昨年4月~今年3月の9・7%から半減。70代は1・1%(昨年4月~今年3月は8・5%)、80代は0・3%(同6・2%)、90代以上も0・3%(同2・1%)と、ワクチンを接種した年代はいずれも低下した。
 国から供給を受けるワクチン量が想定を下回り、市は6月末から7月上旬にかけて、50代以下の接種スケジュールを延期。60~64歳、基礎疾患のある人、高齢者の予約も取り消した。
 今月下旬から再開する接種は、医療機関での「個別接種」のみとなる。ワクチン供給量が限られる中、集団接種には踏み込みにくいためだ。
 一方で、土日曜に1日当たり100人以上に接種できる医療機関を約10カ所確保し、平日に忙しい人が接種しやすくした。副反応は年齢が下がるほど出やすく、その対応も医療機関であれば受けやすいという。
 市は今月20日、20~39歳向けの接種を9月21日に始めるスケジュールを示した。12~19歳の日程は未定で、今後のワクチン供給状況を踏まえて判断する。
 なお、ワクチン接種の加速を目指し、企業などで行う職場接種も市内で実施されている。川崎重工業明石工場(川崎町)やプラント機械メーカーの日工(大久保町江井島)が進めてきたほか、明石市公設地方卸売市場(藤江)も5千人規模のものを22日に開始した。

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