衆院選・兵庫9区 立候補者に聞く(上) 西村康稔氏(59)自・前=公推薦

2021/10/21 05:30

西村康稔氏

■将来の総裁選見据える 関連ニュース 「2馬力選挙」巡り議論本格化 兵庫県知事選などで論点 来夏の参院選控え、公選法のあり方課題 健全な選挙のため法整備を 兵庫県議会が国に意見書提出 参政党が建築士の藤原氏擁立 次期参院選兵庫選挙区

 経済再生担当相としてデフレ脱却のための賃上げと成長戦略に力を注ぐ中で昨年3月、新型コロナウイルス感染症の対策担当相を兼務した。
 「誰も経験したことがなく、100点満点の答えがない世界」であるコロナ対策。「もっと強い感染対策を」「経済をもっと動かせ」。相反する立場の人たちから常に批判を受けた。緊急事態宣言を話し合う前には夜中に目が覚めてデータを見直すなど、張り詰めた日々を送った。
 支えとなったのは、学生時代にボクシングを通して培った心身のタフさだ。「丁寧に説明し、結果が出たら理解されるはず」。そう信じて専門家と議論を重ね、時々のベストと思うことについて政府内で理解してもらい、国民への説明に尽くした。
 サラリーマンの家庭に生まれ、二見の市営住宅で育った。幼稚園から神戸大付属に通い、明石公園でカブトムシを捕ったり、淡路島へ海水浴に行ったりした。「海があり、山があり、一定の都市機能があるまちで育った体験が、私の礎をつくってくれた」
 中学3年のときに明石駅前で国会議員の演説を聞き、「世の中の雰囲気を変える仕事はいいな」と感じたのが、政治の道を志した原点だ。
 あれから40年余り。コロナ対応で「価値を量れないほどの経験」を積み、官房副長官としては多くの首脳会談に同席した。「この経験は必ず日本のために生かしたい」。今月初めに大臣を退任し、派閥の束ね役として衆院選では若手らの応援にも回る。「将来の総裁選を見据えながら政治活動を続けたい」(長尾亮太)

 【メモ】西村康稔(にしむら やすとし)大臣時代は、体調管理として週1回ランニング。渋谷や銀座などの繁華街を走り、人出の変化も確かめた。趣味は秘境巡りとマラソン、映画、読書。家族は妻と、大学院生、大学生の娘3人。最初の緊急事態宣言中は娘が交代で食事を用意し、心の糧に。

 【特集ページ】衆院選2021

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ