明石の放置自転車、県内「ワースト1」返上 駐輪場整備、新型コロナで過去最少に

2021/11/20 05:30

2004年当時、放置自転車がずらりと並ぶ国道2号沿いの歩道=明石市大明石町1(明石市提供)

 兵庫県明石市が2020年度に撤去した放置自転車・原付の台数は計1279台で過去最少となり、10年余りで1割程度にまで減ったことが分かった。主な放置場所となってきた駅周辺で駐輪場の整備が進んだのに加え、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛で、自転車などの利用が減ったことが影響したとみられる。(長尾亮太) 関連ニュース 【写真】放置自転車が見られなくなった現在の歩道 小学生の自転車事故 母親に9500万円賠償命令 駐輪場のすぐ隣に、歩道占拠の“偽”駐輪場 なぜ撤去しないのか、自治体に聞いた


 市に残っている過去の調査データによると、放置自転車・原付の撤去台数は07年度には1万2418台に上った。隔年で行う駅周辺の放置自転車調査でも、明石市は03年度、05年度と2回続けて県内自治体で最多に。市は“汚名返上”に向け、この頃から放置自転車などを減らす取り組みに本腰を入れた。
 市によると、明石駅周辺で06年以降、自転車やバイクの駐車場を8カ所、合わせて2663台分を新設。収容台数は05年時点と比べて1・8倍に増えた。
 西明石駅周辺でも06年以降に駐車場5カ所、計4930台分を設け、収容台数を4・1倍に引き上げた。
 これに伴い、放置自転車・原付の撤去台数は一貫して減り続け、19年には2092台まで少なくなっていた。
 さらに20年度は、新型コロナ下で企業がリモート(遠隔)での勤務を導入したほか、学校の臨時休業が相次ぎ、明石駅の乗降客数はJRで前年度比21%減、山陽電鉄は同23%減となった。通勤通学やレジャー、買い物時の自転車利用などが減り、駅周辺の放置台数の引き下げにつながったとみられる。

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