明石のバーがオリジナルウイスキー販売 「バーボンのようなスモーキーさ、荒々しさ」
2021/11/29 05:30
スモーキーな味わい。林寛三さんが樽で購入したオリジナルのウイスキー=明石市東仲ノ町
明石の酒で地域の盛り上げに一役買おうと、スタンディングバー「モーリエ」(兵庫県明石市東仲ノ町)が29日から、オリジナルのウイスキーを販売する。江井ヶ嶋酒造の銘柄「あかし」の樽(たる)を1本購入し、通常とは異なる製法で瓶詰めした。新型コロナウイルス禍で肩身の狭い思いをした愛飲家らに、酒をたしなむ喜びを心から味わってほしい-。そんな願いも込める。(有冨晴貴)
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店主の林寛三さん(36)が購入したのは、大麦のみを原料に作られた蒸留酒を、バーボンを熟成させていた樽で4年間貯蔵したもの。
通常の製法ではバーボン樽のほかに、シェリーを寝かせていた樽で熟成した酒などをブレンドして味をまろやかにし、水を加えてアルコール度数を下げる。
林さんのウイスキーは樽に何も加えることなく瓶詰めする「カスクストレングス」と呼ばれる手法で造られた。江井ヶ嶋酒造ウイスキー蒸留所長の中村裕司さん(50)は「バーボンのようなスモーキーさ、荒々しさを感じられる味」とその特徴を語る。
林さんのバーは2018年にオープン。店名のモーリエは、ロシア語で「海」を意味する。今回手掛けるオリジナルウイスキーは、海際にある江井ヶ嶋酒造の貯蔵庫で、バーの開業から同じ歳月の熟成期間を経て世に出ることになる。新型コロナ下では飲酒の自粛が求められた時期もあっただけに、林さんの思いはひとしおだ。「地域の人が、地域のお酒をじっくり味わう。そんな機会になればうれしい」
ワンショット1200円。日曜、祝日休業。モーリエTEL080・8513・1234