名彫刻師の墨書、天井裏で発見 博物館が布団太鼓テーマに企画展
2021/12/17 05:30
名彫刻師小松源助の墨書が見つかった大久保町福田地区の雲板・狭間彫刻=明石市上ノ丸2
兵庫・明石の秋祭りをにぎわわせる布団太鼓を特集した企画展「明石の布団太鼓」が16日、明石市立文化博物館(同市上ノ丸2)で始まった。市内16地区から寄せられた高欄掛などの部材約20点のほか、現役の布団太鼓約40基を写真パネルで紹介。新たに見つかった明治期の名彫刻師の墨書など貴重な資料とともに地域の宝に光を当てる。(松本寿美子)
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新型コロナウイルスの影響で祭りが軒並み中止になる中、布団太鼓の歴史的価値を位置づけ、市民に愛着を深めてもらおうと企画。市民グループ「明石の布団太鼓プロジェクト」が資料収集や選定に協力した。
明石の布団太鼓は江戸後期には存在していたとされ、3枚の布団を重ねた平らな布団屋根が多い。布団台に施された錺(かざり)金具や彫刻など、明石型の特徴を残した旧御旅町(現・岬町)の布団太鼓が会場に展示されている。
墨書があったのは、大久保町福田地区の布団太鼓。1962(昭和37)年を最後に使用されておらず、同グループの藤本庸文さん(72)らが今回の展示に向けて掃除をしていた際、雲板(くもいた)と狭間(さま)彫刻の間の天井裏に「細工人彫刻師 本町四丁目 九代目小松源助」との裏書を発見。別の箇所に製作時期とみられる「明治参拾年」と書かれていた。
藤本さんは、大阪の彫刻師の9代目小松源助(1857~1912年)と特定。ケヤキに彫られた「牡丹(ぼたん)に唐獅子」「阿吽(あうん)の龍」は際立った精巧さで、藤本さんは「地元に喜んでもらえる新発見」。同館の稲原昭嘉・市文化財担当課長は「名前と年代を特定できるものは少なく貴重」と話す。
1月16日まで。大人200円、高校・大学生150円、中学生以下は無料。同館TEL078・918・5400