兵庫県明石市魚住町金ケ崎の「西海酒造」の田んぼで、レンゲが満開になっている。安全・安心の酒造りを掲げ、酒米を化学肥料を一切使わず、減農薬で育てる。畑一面にピンクの愛らしい小花が春風に揺れている。(松本寿美子)
西海酒造の創業は1716(享保元)年と伝わる。清酒「空の鶴」や「鶴」「翁之盃(おきなのさかずき)」などを製造する。
田んぼは酒蔵近くのJR線沿いにある約1・3ヘクタール。20年以上前からレンゲを肥料代わりに使い、山田錦と兵庫北錦を栽培する。毎年9~10月に稲を刈り、レンゲの種をまく。発芽後に冬を越し、3月末ごろから少しずつ咲くという。
レンゲはマメ科で、根に寄生する根粒菌が植物に重要な栄養素である窒素を固定させるため、肥えた土になるという。
9代目西海太兵衛社長(78)は「化学肥料だと土が固まり、根の張り具合が悪くなるが、レンゲをすき込むことで弾力性のある土になり、根に活力が出る」と話す。
今年の開花具合はまずまず。5月には米ぬかをまき、6月の田植えまでに3回、土にすき込む。
