明石の港でウミガメ保護 地元住民が救助 ヒレに釣り針刺さった状態
2022/05/25 17:40
陸に引き上げられたウミガメ=明石市本町2(読者提供)
兵庫県明石市本町2近くの海で24日、ブイに絡まっていたウミガメが地元住民らに救助された。市内で生きたウミガメが確認されたのは2014年以来。刺さっていた釣り針を抜いた後、住民らは無事を祈りながら同市の林崎海岸沖に放した。(有冨晴貴)
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仕事帰りに現場を通りかかった石飛哲也さん(38)によると、同日午後6時ごろ、ウミガメがブイに絡まっていたのを住民らが助けようとしていた。明石浦漁港で遊漁船を営む戸田祐平さん(45)らが騒ぎを聞きつけ、網を持って現場へ。協力してウミガメをすくい上げた。
右前のヒレに釣り針が刺さっており、針に付けられた糸がブイに絡まっていたとみられる。戸田さんらは須磨水族館の職員や、近くの明石ほんまち動物病院の成田博繁院長(36)と相談しながら針を抜いた。その後戸田さんの船で砂浜がある林崎海岸沖まで行き、ウミガメを放した。
成田さんによると、保護されたのはアカウミガメの若い個体と思われる。ヒレにタグが付いていたことから、別の場所で放流された個体で、迷い込んだと考えられるという。
また、市環境創造課によると、生きたウミガメが市内で確認されたのは、2014年が最後。20年にも江井島海岸で発見されたが、保護してまもなく死んだ。同課の担当者は「ウミガメが砂浜ではなく港で発見されるとは」と驚く。保護した場合は同課に連絡してほしいと呼び掛けている。
ダイビングが趣味という石飛さんは「誰かが釣り針を海に捨てたと思うとショック」。戸田さんも「釣り人にはマナーを守ってほしい」とし「元気に育ってくれればうれしい」と話した。