「ホテルキャッスルプラザ」35周年 BBQやカフェも展開 地域に愛される施設に
2022/06/01 05:30
ホテルキャッスルプラザをはじめ多彩な事業を展開する成田良伸社長=明石市松の内2
新幹線駅の開業から半世紀がたった兵庫県・西明石地区。キャッスルホテル(明石市松の内2)は、ここで「ホテルキャッスルプラザ」の営業を始めて35年を迎えた。ほかにも大蔵海岸でバーベキュー場、県立明石公園でカフェを手掛ける。多彩な事業を展開する成田良伸社長(66)にインタビューした。(長尾亮太)
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-ホテル事業を始めたきっかけは。
「実業家だった父は、豆炭・練炭やマッチの製造、し尿処理、マクドナルド店舗の運営などを手掛けた。明石駅近くで出張者向けのビジネスホテルが不足していた1980年に明石キャッスルホテル(大明石町1)を開業。その準備や経営を任された」
-87年に西明石でホテルキャッスルプラザを開業した狙いは。
「明石駅近くのホテルは宿泊に特化していた一方、宴会場やレストランを備えて人が集まることのできる都市型ホテルも、明石市内には要ると感じた」
「在来線と違って、新幹線の駅は全国と直結している。結婚式などの集まりに名古屋や東京など遠方から来られる方にとって便利だ。まだ周囲にビルがほとんど立っていない時代だったが、将来性を見いだして牛乳工場跡地に進出した」
-西明石での35年を振り返ると。
「阪神・淡路大震災の直後は、被災した神戸へ向かう西の拠点として宿泊需要が高まる中、1週間ほどで営業再開にこぎ着けた。いち早い再開が復興の第一歩になるとの思いだった」
「新型コロナウイルスは外食や宿泊、交通の業界を直撃した。感染防止のために結婚式などを控えているうちに、出掛けない生活が当たり前のようになっている。そこへ行く価値を感じてもらわなければならない」
-大蔵海岸で19年にバーベキュー場のZAZAZA(ザザザ)を開業した。
「ちょっとした非日常の時間を過ごしてもらうことがバーベキュー事業で届けたい価値だ。多くの人は日常生活のうち屋外で過ごす時間は短く、夜空を見上げたり、波のせせらぎを聞いたりしながら過ごしたいと思っている。明石海峡大橋と淡路島を見渡せる大蔵海岸の立地を生かすため、3階建ての施設を建てた」
-明石公園で17年に飲食店のTTT(ティーティーティー)を開業した。
「自治体が公園管理にかけられる予算が限られる中、魅力をさらに高めるために民間業者として役立ちたいと思った。店は開放した造りにして、公園の自然や文化を感じながら食事やお茶を楽しめるようにした」
-大阪市此花区の人工島・舞洲(まいしま)でホテル・ロッジ舞洲を、堺市の原池公園でバーベキュー場を運営する。
「舞洲では庭造りにとても力を入れている。2025年大阪・関西万博の会場に近い立地で、その時に国内外から訪れる大勢の人に『大阪にこんな庭があった』と言ってもらいたい」
-ホテルキャッスルプラザの今後の展望は。
「開業時から、徹底した地域密着型を追い求めてきた。ちょっとした非日常をキャッスルで過ごそうよ、と地域の人たちに愛されるホテルであり続けたい」