店のパン職人、クラファンで応援して 返礼品に若手考案の限定ベーグル

2022/06/19 05:30

クラウドファンディング限定ベーグルと、考案した赤尾さん(右)、焼き上げる長濱さん=明石市桜町

 明石銀座商店街の店、パン&デリ・デマージ(兵庫県明石市桜町)が、自社のパン職人を応援してもらおうとクラウドファンディングを始めた。製パン業界では珍しく職人を正社員雇用しており、店を職人が育つ場にしようと模索している。(有冨晴貴) 関連ニュース メロンパン 神戸ではなぜ「サンライズ」? 「先生な、パン屋さんになりたいねん」元教諭が念願の店舗オープン 知る人ぞ知る人気パン 鳥の形をしたパンが話題「優しさが届きますように」 店主は戦火キエフのパン屋をリスペクト


 同社代表の白石文子さん(49)によると、パン職人は非正規雇用がほとんどで生活が安定しづらいという。この現状を変えようと、5年前からパン職人の正規雇用をスタート。新入社員には、製パンのノウハウを一から教えている。
 しかし、ロシアのウクライナ侵攻や円安で、材料費が高騰。同店の小麦は国産のため仕入れ値への影響は限定的だが、輸入に頼るレーズンは5割近く、チョコレートも近く3割ほど値上がりする見込みという。
 そこで、クラウドファンディングで資金を募り、取り組みを広く知ってもらうことを決めた。返礼品には若手職人が考案、製造した限定ベーグルも採用。白石さんは「幼い歌舞伎役者のように、職人を見守って育てるような気持ちで応援してもらえれば」と話す。
 限定ベーグルには、ブルーベリーなどのドライフルーツやナッツ、ホワイトチョコが詰まっている。考案したのは、昨年入社した赤尾茉奈実さん(20)。「フルーティーさと、ホワイトチョコのコクを楽しんでほしい」という。具材を包んだ生地を今年4月に入社した長濱柚妃さん(19)と共に焼き上げる。
 白石さんは「将来的には店や明石全体をパン職人が育つ聖地にしたい」と意気込んでいる。
 クラウドファンディングサイト「Makuake」で申し込める。7月30日まで。1口3千円からで、返礼品は自宅などに届く。デマージTEL078・913・3330

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