紋付き羽織姿、くわや神具持ち練り歩き 伝統行事「オクワハン」で豊作祈願 明石・魚住

2022/06/20 05:30

くわや神具を持ち池の土手を歩く氏子代表の4人=明石市魚住町清水

 兵庫県明石市魚住町清水地区で19日、田植え後に豊作を祈願する伝統行事「オクワハン」が催され、氏子約20人が参加した。アマチュアカメラマンらが見守る中、紋付き羽織にわらじ姿の代表4人が、くわや神具を手に地域を練り歩き、田畑の隅々まで水が行き渡るよう願った。(松本寿美子) 関連ニュース 加西病院「建設地を変更」 高橋市長、方針転換表明 「用地、25年初頭までに選定」 まるで「ツバメ団地」、軒下に50個近い巣 ふんよけの傘カラフルに 丹波篠山のゴルフ場 雇用促進、地域活性へ協定 丹波市とリクルート 28日にはセミナー


 江戸時代後期から続く民俗行事。同地区では約100軒が農業を営み、地元の清水水利組合が毎年この時期に催している。
 午前9時、清水神社で神事がスタート。氏子らが神前でこうべを垂れる中、神主が米作りがうまくいくよう願う祝詞を奏上。伊勢参りの四講「東」「西」「中」「別れ」の各代表らが榊(さかき)を供えると、右手に桑の木製のくわ「オックハン」、左肩に金属製の神具「御幣」を担ぎ、境内を出発した。
 近くの取水口でオックハンを一斉に水につけるしぐさをすると、1人ずつ別れ、各地区の田んぼや水路沿いを約40分かけて巡った。県立明石清水高校に隣接する新池の土手で再び合流すると、池にせり出したほこら「弁天さん」に参り、般若心経を唱えた。
 榎本真一組合長(70)は「例年は雨が降っていることが多いが、いいお天気に恵まれて催すことができた。よく実るといいです」と話していた。

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