山電駅舎に住民憩いの空間 健康講座や歌声サロン、パン販売が人気に 兵庫・明石

2022/06/23 05:30

藤江駅前オアシスで打ち合わせする運営ボランティアら=明石市藤江

 山陽電車藤江駅(兵庫県明石市藤江)の駅舎で地元住民が運営する憩いの空間「藤江駅前オアシス」が7月1日、オープンから1周年を迎える。健康をテーマにした講座や、みんなで歌うサロンがにぎわうほか、パンなどの出張販売も人気を呼び、存在感を示している。(長尾亮太) 関連ニュース 山電飾磨駅、北側にも改札口完成 来年100周年「より便利に、優しい駅に」 「阪急電車が山陽電鉄に乗り入れていたなんて…本当ですか?」相互直通運転が中止となった“切実”な理由 兵庫の西播磨へ「幻の鉄路」山電に壮大な延伸計画あった 謎の図面、公民館で見つかる


 駅前からスーパーなどが撤退して、「パンや牛乳も買えない」という悩みの声が上がる中、まずは人が集まる場をつくろうと藤江校区まちづくり協議会が企画。沿線の活性化を目指す山陽電気鉄道が空いていた駅舎の一角を提供した。
 多彩な趣向が地域の人たちを引き寄せる。今月7日にあった約1時間の催しでは、脳の活性化に関する講座に続いて体操、おしゃべりをして、最後にみんなで叙情歌や童謡を歌った。
 また、火曜から土曜までの営業時間(午前10時~午後4時)には100円でお茶を飲むことができ、買い物に行く道すがら立ち寄るお年寄りも。放課後にランドセルを自宅に置いた後、宿題をしに来る小学生もいる。
 毎週金曜の午前11時からにじ作業所が行うパンの販売には幅広い年齢層の男女が訪れて、食パンや総菜パン、菓子パンなど250個前後が売れる。お気に入りを1週間分買い込み、冷蔵・冷凍しておくお年寄りもいるという。
 同協議会の大野美代子会長(75)は「認知力や体力を保つため、サロンなどへ参加してもらいたい」と呼び掛けるとともに、「皆さんと一緒に過ごせるのが、85人に上る私たち運営ボランティアの生きがいになっている」と笑顔を見せる。
 24~26日には1周年記念フェスタを催す。手作り品の販売、ゲーム屋台、健康講座・体操、歌声広場などがある。26日の午後1時半からはペーパークラフト作りなど、山陽電鉄の子ども向けイベントも開かれる。オアシスTEL078・779・1262

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