故五代目文枝ゆずり、軽妙な話芸…桂阿か枝さん繁昌亭奨励賞受賞、地元明石でお披露目公演 8月14日

2022/07/31 05:30

 落語家の桂阿か枝さん(51)=兵庫県明石市=が出演する「復活!しおさい亭」が8月14日、明石市立市民会館で催される。阿か枝さんは、上方落語協会が入門25年以下の落語家を表彰する繁昌亭奨励賞を受けた。「芸歴25年のラストイヤーに、私のような地味なタイプも寄席に必要と評価していただいた」。地元へのお披露目公演を楽しみにする。(松本寿美子) 関連ニュース ミルクボーイM-1優勝、きっかけは小さな新聞記事 女性落語家が急増「女の生き方、表現したい」 楽屋は男女別、演目に下ネタも 道頓堀や新世界、梅田の道端で…公園も道路も全部「落語の稽古場」 笑福亭鶴笑一門の挑戦


 1996年、故五代目桂文枝の最後の弟子として入門した。同賞では「持ち前の高い声を生かし、軽やか、リズミカルな語り口で明るい雰囲気を作り出す。師匠の良い芸風を継承している」と評価されたという。
 阿か枝さんは「師匠には、おまえの声は落語には損や。でも高いなら高いなりの調子をこしらえたらええ、と言われた」と明かす。さらに「登場人物が変わらなあかん、言葉を整理せえ、とも。やり慣れたネタにはつい要らん言葉を付けてしまいますが、テンポが悪くなると言われた。その3点は今も肝に銘じている」と振り返る。
 50代になり取り組む大ネタ「百年目」は、番頭が大旦那に仕事中の芸者遊びを見つかってしまう噺(はなし)。「10、20年かけて磨いていきたい」と力を込める。
 地元・明石では寄席や子どもたちの指導にも熱心に取り組む。「年配の人から昔の師匠の音源をもらうことも。私の寄席を通して師匠を思い出してもらえるのは励み。公演もじっくり聞いてもらいたい」と話す。
 午後2時開演。前売り2千円、当日2300円。高校生以下は千円。大賞の笑福亭たまさん、同じく奨励賞の林家染左さんも出演する。同会館TEL078・912・1234

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