男性トイレに専用ごみ箱、今や常識!? がん手術後の人や性的少数者らの不安に配慮 明石の公共施設
2022/09/30 05:30
あかし市民図書館の男性トイレに設置されたサニタリーボックス=明石市大明石町1
兵庫県明石市は公共施設にある男性トイレで、汚物を入れる「サニタリーボックス」の設置を進めている。使った尿漏れパッドやおむつなどを持ち帰らなくてよくした。(長尾亮太)
関連ニュース
そっと手渡される生理用ナプキン トイレにあるカード提示で 明石市
「握れ」「閉めろ」「流せ」…若き男子学生たちに向けたトイレの貼り紙が話題 「うける」「勉強になる」
公園のトイレ、男女色分けせず 「性的少数者への配慮足りない」の声反映
前立腺がん、ぼうこうがんの手術を受けた後などに、尿漏れが起きたり頻尿になったりした人はおむつや尿漏れパッドを使うが、トイレに流せないため、ビニール袋などに入れて持ち帰る事例が多いという。国立がん研究センターによると、2018年に前立腺がんと診断された男性は全国に9万2千人、ぼうこうがんは1万8千人いる。
生理用品を捨てられる女性トイレと同じように、サニタリーボックスを男性トイレにも置くようにした。明石駅前のみんなのトイレ、天文科学館、あかし市民図書館に設置したほか、市役所本庁舎の男性用洋式トイレ5カ所にも試験的に置いている。
市によると、埼玉県が県有施設約200カ所の男性トイレにボックスを置くなど、全国で公共施設などに設置する動きが広がる。県内でも芦屋市や高砂市などが取り組んでいるという。
市ジェンダー平等推進室の担当者は「手術を受けられた方たちが外出時に抱える不安を軽くしたい。また、トイレで生理用品を捨てたいトランスジェンダーの方への配慮につながれば」と話している。