漁獲量減少が深刻なタコ 明石市長ら、産卵用つぼを二見沖に投入 海洋資源の保護訴え

2022/10/20 05:30

タコつぼを投入する泉房穂明石市長(中央)ら=二見沖

 来月12、13日に開かれる全国豊かな海づくり大会を前に、二見港(兵庫県明石市二見町東二見)の沖で18日、泉房穂明石市長らが産卵用タコつぼを投入するセレモニーが開かれた。明石市を含む播磨灘では、タコなどの漁獲量の減少が深刻になっており、出席者は資源保護の重要性を訴えた。(有冨晴貴) 関連ニュース 人気駅弁「ひっぱりだこ飯」 主役のタコ、史上最悪の「兵庫県明石産」不漁につき県外産にシフト ピンチ!潮溜まりに取り残されたマダコ 観察動画が100万回再生 瀬戸内海「きれい過ぎ」ダメ? 「豊かな海」目指し水質管理に新基準


 二見町の人工島に事業所がある産業廃棄物処理会社ダイセキが寄付した1千万円が基金として充てられる。同社は企業版ふるさと納税を通じて明石市に寄付。昨年も同額を寄付している。寄付金はタコつぼの投入や海に栄養分をまく施肥など、市の豊かで安全な海づくり事業に活用される。
 セレモニーでは、泉市長、大西賀雄明石市漁業組合連合会(市漁連)会長、ダイセキの甲斐尚関西事業所長があいさつ。泉市長は「多額の寄付に感謝申し上げる。官民連携で海の資源を守ることが重要だ」とコメント。甲斐所長は「産廃を扱うビジネスは地域の理解なくして成立しない。今後も協力していきたい」と話した。
 3人は船に乗り込んで出航し、二見沖でタコつぼを投入した。タコつぼは本来漁のために使われるが、今回はタコの産卵用に沈めており、引き揚げない。
 大西会長は「資源保護に協力してくれる会社があるのはありがたい限り。引き続き豊かな海づくりに力を入れたい」と語った。

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