淡路

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BCPについて語る小山隆司院長=県立淡路医療センター
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BCPについて語る小山隆司院長=県立淡路医療センター

 平成最悪の被害をもたらした西日本豪雨。淡路島では、明石海峡大橋が43時間30分とほぼ2日間にわたって通行止めとなり、人、モノの流れが簡単に途絶えてしまう島の脆弱性が浮き彫りになった。島内の災害拠点病院、県立淡路医療センター(洲本市)は今回の教訓を生かし、事業継続計画(BCP)の策定を急ぐ考えだ。小山隆司院長(63)に聞いた。(聞き手・西井由比子)

 -BCPにどう盛り込む。

 「今回のことで痛感したが、淡路島はやはり島。災害で島が閉ざされても、島内の者で対応できる仕組みを考えねばならない」

 「BCPは本年度中の策定を厚生労働省から義務付けられている。当院でも専門チームを立ち上げ、策定を進める中で、今回の事態に遭遇した。災害拠点病院のBCPは基本的に、大地震の発生時を想定しているが、豪雨災害は近年増えている。病院周辺が水没したら、ボートも必要になるだろう。今回のことで、備えとして何が必要かということが具体的に見えてきた」

 -必要な備えとは。

 「まずは医師、看護師が病院へ向かう手段の確保だ。医師約130人のうち、約3割は島外から通っている。今回は、船を使って明石港から島に渡ってくることができた。四国経由で到着した医師もいる。しかし、船がストップすることも、大鳴門橋が通行止めになることもあるだろう」

 「ドクターヘリは患者を搬送するものだが、医師・看護師を災害拠点病院に送り込む手段としての視点も必要だと感じた」

 -診療体制をどう維持する。

 「始業に間に合わなかった医師もいたが、島内在住者でカバーして外来対応に問題はなかった。だが、手術には影響があった。当院では手術の際、麻酔の専門医が麻酔をかけている。大橋がストップしている間、この専門医が確保しきれず、一部の手術を延期した」

 「現代の医療は、専門性を追求し、担当が細分化されている。外科医が麻酔をかけられるよう、日常的なトレーニングが必要だと感じた」

 -物流確保も課題だ。

 「入院患者の食事については、3日分の備蓄はあるが、朝食のパンは大阪から運び込んでいる。このルートが今回、ストップした。島内で何とか調達できたから良かったが、大橋の通行止めで周辺のスーパー、コンビニもすぐに品薄に陥っていた。有事の食料調達ルートをどうするか、早急に検討せねばならない」

 「島内には、他にも病院、福祉・介護施設がある。非常時の対応は、島全体で共有し、連携・訓練する必要がある」

【災害拠点病院】 地震やテロなど災害発生時に24時間体制で傷病者を受け入れる病院で、1995年の阪神・淡路大震災を機に整備が始まった。災害派遣医療チーム(DMAT)やヘリポート、耐震設備を備えていることなどが要件で、都道府県が指定する。兵庫県内では、県立淡路医療センターを含め18施設。

【事業継続計画(BCP)】 災害などの緊急事態が発生したときに被害を最小限に抑え、医療活動などの事業の継続や復旧を図るための計画。病院のBCPについては厚生労働省がガイドラインを示し、災害拠点病院に対して本年度中の策定を義務付けている。兵庫県内では、災害拠点病院18施設中4施設が策定済み。

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