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社会実験2年目は利用が伸び悩んだ「深日洲本ライナー」=洲本市の洲本港
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社会実験2年目は利用が伸び悩んだ「深日洲本ライナー」=洲本市の洲本港
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 洲本港(兵庫県洲本市)と、大阪湾の対岸にある深日港(大阪府岬町)の間で、定期航路の復活に向けた2年目の社会実験が2月、終了した。実験で運航した「深日洲本ライナー」の乗客数は、好調に推移した1年目に比べ、相次ぐ台風来襲などにより低迷。600万円前後の赤字が出る見込みで、その負担を巡って洲本市と岬町の認識の違いが浮き彫りに。国の交付金を受ける両市町の共同事業はあと2年残っているが、その行く末を危ぶむ声も上がる。(上田勇紀)

 定期航路は1949年に開設され、明石海峡大橋開通の影響などにより99年に廃止となった。

 今回の社会実験は、航路復活でにぎわいを取り戻そうとする岬町が主体となって2017年6月25日に開始。68人乗りの旅客船を使い、国のモデル地区指定を受けて1日4往復を運航。一部は欠航したが、片道中学生以上1500円、小学生500円の運賃で、同9月末までの運航期間中に1万600人(1便あたり平均13・9人)が利用した。

 車で明石海峡大橋を経由して岬町に向かえば3時間程度掛かるというが、船なら55分。航路を懐かしむ利用者もおり、洲本市も18年度から岬町と共同で実験に出資を決めた。

 だが、運航期間を18年7月から今年2月24日までに延ばした2年目は気象条件に恵まれなかった。7月には西日本豪雨などで計30便を欠航。9月にも台風21号などで計32便を欠航した。自転車愛好家らに支持されたが結局、約8カ間で1万5218人(1便あたり8・4人)にとどまり、目標の2万1千人に届かなかった。

    ◆  ◇

 ここで表面化したのが、600万円程度と見込まれる歳入不足だ。2年目の総事業費は1億円で、半分は国が負担。残る5千万円のうち、洲本市と岬町が1200万円ずつ負担し、残る2600万円を運賃収入で賄う計画だった。だが、利用者の落ち込みで運賃収入は2千万円程度しか入らないとみられる。

 運航最終日の2月24日には田代堯・岬町長が洲本市を訪れ、「両市町の共同事業」として竹内通弘市長に追加の支出を求めた。

 しかし、竹内市長は「協定書で支出は1200万円を限度とする、と明記している」とその要請を断った。洲本港-関西空港航路を巡る補助金問題など、過去の航路で混乱が広がった経緯もあり、市民の理解が得られないと判断した。

 協定書には、限度額を超える恐れがある場合は事前に協議して対応を検討する、との内容もある。洲本市は昨年秋以降、期間の短縮や土日のみの運航を重ねて提案したが、岬町側は首を縦に振らなかったという。

 岬町は、赤字分の負担について「(洲本市との)認識の食い違いが大きかった。持ち帰って検討中」とする。近く町議会特別委員会に事業を報告。「場合によっては今後の計画の見直しが必要になるかもしれない」としている。

    ◇  ◆

 洲本市は19年度、深日航路事業に1600万円(うち市負担は800万円)の予算を計上。両市町は、ゴールデンウイークから11月までの土日祝と、お盆時期に限って運航させる方向で調整している。岬町側と合わせた総事業費は約6700万円を見込む。

 ただし、今年天候が安定する保証はない。国と市町の多くの公金がつぎ込まれている実験に、確かな成果と将来設計が望まれる。

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