淡路

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船長就任に向けて研修を受ける浅山豊さん(中央)=南あわじ市
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船長就任に向けて研修を受ける浅山豊さん(中央)=南あわじ市
注文した商品を求めて港に集まる人たち=南あわじ市
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注文した商品を求めて港に集まる人たち=南あわじ市
夕日に照らされる沼島汽船=南あわじ市
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夕日に照らされる沼島汽船=南あわじ市
午前7時すぎ、土生港から沼島にやってきた乗客=南あわじ市
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午前7時すぎ、土生港から沼島にやってきた乗客=南あわじ市
神戸新聞NEXT
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 兵庫県最南端の離島・沼島(南あわじ市)は、209世帯436人(2月末時点)が暮らす小さな島。その沼島と淡路島の土生港を結ぶのが「沼島汽船」だ。島の暮らしに欠かせない汽船と乗客の1日に密着した。(吉田みなみ)

 ■午前5時50分 出港準備

 沼島汽船はおよそ1時間に1回、片道約10分かけて沼島と土生港を往復する。新聞や郵便物などの運搬も担う。

 暗闇の中、始発便に乗り込むメンバー3人が沼島港に集まった。船長の奥野学さん(47)は乗船歴24年のベテラン。天気予報や当日の風、海の様子を見て出航を判断する。今日の波は穏やかそうだ。エンジンをかけ、船内を掃除して出港に備えた。

 ■午前6時20分 始発便

 出港20分前から乗船開始。通勤客に混じって、ただ一人制服姿の洲本実業高1年の女子生徒(16)。汽船とバスを乗り継ぎ、約2時間かけて通学する。同校に通う理由を「実家の海鮮料理店を継ぐのが夢。もっと近い高校もあるけど、経営やビジネスを学びたくて」と話し、「船が休まず運航してくれるおかげで実家から通える。朝は早いけど頑張ります」と笑った。

 土生港が近づき、到着を知らせるアナウンスが客室に響く。下船した乗客は続々と駐車場へ。小さな沼島でマイカーは不要。土生港に置いておき、通勤や買い物に使う人がほとんどだ。

 ■午前中 船長の研修

 今春から新たに船長になる浅山豊さん(34)が操舵席に座った。この日は先輩の奥野さんから指導を受ける研修日。緊張した面持ちで前を見据え、操舵の感覚を体に覚え込ませる。「漁船は操れるけれど、この船は大きさもハンドル操作も勝手が違う。しっかり学んで、乗客の安心と安全を守れる船長になりたい」と、午前中いっぱいかじを取った。

 ■午後2時ごろ 週1回のショッピング

 午後1時50分に土生港を出た船内で「これから一風変わった様子が見られるよ」と声を掛けられた。毎週金曜日の昼下がり、島の住民が「コープこうべ協同購入センター淡路」(同市榎列上幡多)に注文した商品が汽船で届けられ、沼島港で受け渡されるのだ。

 港には約20人が待ち受け、頼んでいた商品を次々と持ち帰っていく。70代女性は「島外に買いに行くのは大変だから1週間分買いためる。今日は牛乳を5パックも買ったんよ」と笑った。港が静かになるまで約20分。あっという間のショッピングだった。

 ■午後5時40分 仕事を終えて

 燃えるようなオレンジ色の夕日が船を照らす。沼島で働く人の多くが夕方の便で帰路に就くため、船内もにぎやかだ。この春、市内のどこからでも通える「小規模特別認定校」になる沼島小学校の教員も家路へ。3月で退職する男性教諭(59)は「通い始めると沼島は案外近いと気付く。児童と教員、島民の距離が近くて温かい町。退職までできる限り子どもらと触れ合いたい」

 ■午後6時30分 沼島発最終便

 暗くなった海が見えやすいように操舵室の照明を落とし、レーダーや衛星利用測位システム(GPS)のモニターで位置を確認しながら船を進める。

 昼から乗務する男性(53)に船長としての思いを聞くと、「島の人たちの足を担う以上、100パーセント安全に運航しなければ。これからもそれを第一にやっていかなあかんね」。前を見つめて話す姿からは、島の日常を支える自負が感じられた。

 1日10往復、平均約380人を乗せる沼島汽船。次の便に乗ると、翌朝まで淡路島には戻れないため、ここで下船。沼島へ戻っていく航跡を見送った。

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