新型コロナウイルスの影響で客足が遠のき、厳しい経営状況に置かれている淡路島(兵庫県)の飲食店。この危機を一丸となって乗り越えようと、島内の飲食店経営者が、会員制交流サイト(SNS)に「#TOGOAWAJI(トゥー・ゴー・アワジ)」のハッシュタグを付けて投稿する動きが広まっている。英語で「TO GO」は「持ち帰り」の意味。ハッシュタグで検索すれば店舗やテークアウト商品の情報が分かる仕組みで、発案した男性は「今は苦しいが、みんなで耐え抜きたい」と前を向く。(吉田みなみ)
活動を始めたのは、同県南あわじ市福良甲でサンドイッチ店を経営する中尾広大さん(36)。今月初旬、SNSで関西にある飲食店のテークアウト情報を発信するハッシュタグを目にし、「淡路島でも活用できないか」と、島内の飲食店とのつながりが多い淡路ハイウェイオアシスの土産物店店長、岩鼻優介さん(36)に相談を持ち掛けた。
中尾さんはコロナの影響で、悩み抜いた末に店を休業したばかりだった。「店を開けるにも閉じるにも苦しく、この情勢では店の宣伝も難しい。生活が圧迫されて必死な店主の気持ちが分かるからこそ、応援できないかと思った」と振り返る。
「こんな大変な時だからこそ、島内でテークアウトできる店を一覧にしませんか?」。そんな言葉を中尾さんと岩鼻さんがSNSに投稿すると、少しずつ島内の飲食店がハッシュタグを付けて投稿し始めた。6日から約1週間で約40店舗が賛同。弁当やケーキ、オードブルなどさまざまな料理の写真が並ぶ。
今後は投稿された情報を一覧で見られるまとめアカウントの更新や、需給が一致する飲食店と生産者の仲介も視野に入れる。中尾さんは「淡路島は車社会なので、工夫すればほぼ人と接触せず商品を持ち帰られる」。岩鼻さんは「臨時休校で子どもが自宅におり、毎日の食事の準備が大変な人もいるはず。ぜひ『#TOGOAWAJI』で検索し、島内の飲食店を利用して」と話す。
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