「御自由にお読みください」
兵庫県洲本市物部1の電気店の店先でこんな言葉が書かれた本棚を見つけた。なぜ屋外に本棚が?
店主の物部靖二さん(76)に尋ねると、本棚は昨夏に置いたそう。5年ほど前、北欧を旅行した時に街中に本棚が置かれ、人々が気軽に本を手に取る姿を見て「まるで小さな図書館」と感じたのがきっかけ。「読まなくなった本も、誰かに読まれれば生き返る」と本棚を手作りし、自宅の蔵書や近所から本を募って並べた。トタン屋根で覆われ、雨の日も心配ない。
今では小説や漫画、哲学書など約500冊が集まり、本棚に収まりきらないほどに。「貸し出し自由なのでぜひ」と物部さん。今は読書週間。秋晴れの下で、掘り出し物の一冊に浸ってみるのも気持ちいいかも。(吉田みなみ)
