年末恒例の“伝統芸” サル文字で来年の干支「丑」
2020/12/27 22:30
見事に完成した来年の干支「丑」のサル文字=淡路島モンキーセンター
淡路島モンキーセンター(兵庫県洲本市畑田組)で餌付けされているニホンザルによる年末恒例の“サル文字”が今年もお目見えした。サルの世界では珍しい「優しい」ボスが率いる群れならではの芸で、来年の干支(えと)「丑(うし)」を見事に描きだした。(赤松沙和)
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同センターでは、今年生まれた28匹を含めて約350匹の一群れが餌付けされている。
サル文字は30年ほど前から所長の延原利和さん(66)が挑戦し、年賀状などに活用。序列に関係なく餌を分け合う淡路の群れの特長を生かし、下書きに沿ってまいた餌に夢中になったサルが体を寄せ合うことで文字が浮かび上がる。群れの寛容性については、大阪大の研究室などが長年データの収集と分析を続けている。
延原さんによると、淡路の群れの「優しさ」はボスザルの影響が大きいという。一般的なボスは群れで1番強いオスで、3年ほどで交代する。一方、淡路の群れでは、障害があるサルを気遣うなど面倒見が良かった7代目「マッキー」が15年、9代目「アサツユ」も7年と、長期にわたる傾向という。延原さんは「ここでは強さではなく、仲間から信頼されることがボスの資格」とする。
現在のボスは、約3年半務めた10代目「マートン」から、今月になって引き継いだばかりの「ジョニー」(推定20歳)。老齢のマートンが隠居した格好で、延原さんは「歴代のように仲間の信頼を得られるか心配だが、見守っていきたい」と話す。
午前9時半~午後5時。木曜定休(31日は開園)。入園料は4歳以上の子ども350円、中学生以上700円。同センターTEL0799・29・0112