手作りパン人気上昇 障害者就労支援施設「あゆみの部屋事業所」

2021/03/04 05:30

食パンを届ける「あゆみの部屋事業所」の利用者(右)=洲本市五色町鮎原南谷、カフェ「ジャムの森テラス」

 障害者就労支援施設「あゆみの部屋事業所」(兵庫県洲本市五色町鮎原小山田)の素材にこだわった手作りパンが人気を集めている。パンを手掛けて10年以上。今年から新商品のオリジナル食パンも加わり、同事業所の女性(44)は「『あゆみのパン』として、より多くの人に知ってもらえたら」と話す。 関連ニュース 競走馬の蹄鉄、お守りに生まれ変わり 障害者の就労支援、滋賀・栗東 リユース絵本が生む好循環 みなと銀行と企業、福祉事業所が連携 資源を再利用、障害者の雇用増へ 【障害者の就労事業所】「行政は厳しく対応を」 悪質運営でトラブル相次ぐ

 同事業所では現在、スタッフ数名と就労継続支援B型事業所の利用者4人がパンの製造、販売を担当する。パン作りは週に3日。定期的に市役所や社会福祉協議会、福祉施設などに出向いて販売しており、売り上げは利用者の工賃につながる。
 当初は国産小麦を使った天然酵母のパン数種類からスタートしたが、今では菓子パンも含めて50種類ほどに。菓子パンは約20種類で、一番人気は「あんカマンベール」という。昨年は、老舗パン店「イスズベーカリー」(神戸市中央区)監修で淡路島牛乳を使った食パン「淡雲(あわぐも)」を開発。今年1月から予約販売を開始したところ好評で、パン全体の売り上げも伸びているという。
 洲本市五色町鮎原南谷のカフェ「ジャムの森テラス」では、ランチで「淡雲」のトーストを提供。店内で天然酵母のパンも販売する。同カフェの女性「こだわって作られていて本当においしい。パンを楽しみに訪れるお客さんもいる」と話す。同事業所の次長(56)は「これからも多くの人においしく味わってもらい、工賃の安定にもつなげていきたい」と力を込める。
 あゆみの部屋事業所TEL0799・32・0400
(赤松沙和)

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