ヤギで除草のノウハウ教えます 耕作放棄地、環境に優しく管理

2021/03/30 05:30

淡路景観園芸学校で飼育されているヤギ=淡路市野島常盤

 兵庫県立淡路景観園芸学校(淡路市野島常盤)が、ヤギを活用した除草のノウハウを伝えるユニークな講座を企画している。近年、耕作していない畑の草刈りが高齢化で追いつかない問題などに対し、ヤギに食べさせる除草が、燃料を使わず環境に優しい「エコ」な方法として注目を集める。「専門家から話を聞けるチャンス。興味のある人はぜひ参加してほしい」と呼び掛ける。(上田勇紀) 関連ニュース 「効果すごい」ヤギ2頭でエコ除草 2週間後には… 【動画】土地の除草、ヤギにお願い! 西宮土木事務所が3頭放して効果実験 女子高生4人、ウシガエル一本釣り 何のため?


 同校では、教職員や、同じ拠点で学ぶ県立大大学院緑環境景観マネジメント研究科の学生らが、国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs(エスディージーズ))」に取り組む有志チームを発足。活動の一つとして、2020年から同校や淡路市内の耕作放棄地で「ヤギ除草」を試みている。雑草が生い茂る場所に、決まった範囲だけ動けるようにヤギをチェーンなどでつないでおく。除草スピードはゆっくりだが、効果はてきめんだった。
 のんびりと草を食べる姿が淡路島の風景にもなじむことから、同校で初めてとなる講座を企画した。畑など草刈りが必要な土地を持つ個人や団体、観光施設関係者らの参加を想定する。
 日程は2日間あり、1日目の4月28日は、同校教員や淡路家畜保健衛生所職員らが、ヤギ除草に必要な準備や飼育の法的手続きなどを教える。2日目の5月25日は、実践している尼崎市のNPO法人代表者から話を聞くなどする。両日とも同校で行い、飼育するヤギ2頭で効果を検証する実習も予定する。
 昭和30年代、淡路島内では乳を飲むためのヤギ飼育が盛んだったという。「現在は環境に優しい除草など飼育の目的が変わってきている。ノウハウを伝え、ヤギ除草のネットワークを築いていきたい」と、同校の景観園芸専門員・守(もり)宏美さん。参加費は2日間で6774円。4月15日までに同校普及指導課に郵送、ファクス、メールのいずれかで申し込む。主に県内在住、在勤、在学者対象。先着順で定員15人。同課TEL0799・82・3455

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ