淡路人形座、阿波踊り初の共演 計500人が鑑賞
2021/07/25 05:30
踊り手とともに阿波踊りを披露する人形=南あわじ市北阿万筒井
兵庫県の淡路人形浄瑠璃と徳島県の阿波(あわ)踊りが初めて共演する公演会がこのほど、南あわじ市北阿万筒井の市文化体育館で2日間にわたって開かれ、島内や京阪神、四国から計約500人が鑑賞に訪れた。
関連ニュース
4位阿波おどり 3位祇園祭 2位おわら風の盆 阪急交通社が推す日本の夏祭り 人気ランキング1位は
阿波踊り演舞場も! 鳴門に観光2施設誕生 南あわじ出身の建築家、増田友也設計の校舎など活用
阿波踊りの発祥、実は洲本・由良? 淡路か、徳島か、背景に見えた意外な事実とは
2日目の18日は約2時間の舞台でまず、プロ団体「淡路人形座」の鶴澤友勇さんが太棹三味線を披露。火刑を覚悟で恋人を救おうとする娘・八百屋お七の演目「伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ) 火の見櫓(やぐら)の段」の曲目を奏でた。
続いて、阿波踊り団体「藍吹雪」の江川卓治さんによる細棹三味線へ。踊りと合う陽気な高音の弾みで会場を盛り上げた。
最終盤、藍吹雪の踊り手らに人形も混ざった。ステージを飛び出し、観衆らの目の前で阿波踊りをしてみせた。
明治の廃藩置県まで、淡路島と徳島県は同じ徳島藩だった一方、浄瑠璃のルーツは神事、阿波踊りは仏事と異なることもあり、同じ舞台での共演はなかった。
地理的、文化的に近い両地域が協力して世界に誇る伝統を発信しようと、淡路人形協会が藍吹雪に持ち掛けて実現した。
人形座の人形遣い、吉田史興さんは「コロナで開催が危ぶまれたが、お客さんに満足いく舞台を見せられたと思う」。藍吹雪の江川さんは「プロの座員と演奏できて光栄だった。機会があればまた共演したい」と話した。(西竹唯太朗)