淡路島の巨樹にまつわる物語をショートムービーに 兵庫県立大院生「生命力の強さ感じた」
2021/11/12 05:30
千草山神社のホルトノキ=洲本市千草丙(提供)
兵庫県立大大学院緑環境景観マネジメント研究科(淡路市野島常盤)2年の森彰子さん(52)が、「巨樹(きょじゅ)」をテーマにした映像作品を作った。大きくて樹齢の長い島内各地の木を撮影し、関係者から話を聞いてまとめた約10分のショートムービー。13、14日に淡路市立津名図書館(同市志筑新島)で上映し、関連書籍を並べて魅力や歴史を伝える。(上田勇紀)
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森さんは大阪府吹田市出身。大学卒業後、グラフィックデザイナーなど約30年間の社会人経験を経て、昨年4月に同研究科に入学した。
今年2月、岩崎哲也准教授と淡路市釜口の妙勝寺を訪れ、太陽の光を浴びて輝く大きなクスノキに心を動かされた。岩崎准教授は、情報収集や観察会を行う「全国巨樹・巨木林の会」の理事を務める。話を聞いて興味を深め、修士課程の研究テーマを「地域に根ざす巨樹との対話」と設定。環境省の巨樹の定義や文献を基に対象を絞り込み、5月から大木がある島内の寺社に足を運んで写真や動画を撮影した。
志筑神社(同市志筑)のクスノキや、「山の神さん」として知られる千草山神社(同県洲本市千草丙)のホルトノキ、成相寺(同県南あわじ市八木馬回)のイブキ…。編集した作品は音楽と字幕が流れ、島内各地の大木が次々と登場する。宮司ら関係者のインタビューを交え、種類や樹齢の違う木々をさまざまな角度から映し出す。
「山深い場所の撮影は大変だったけど、行くと元気をもらえて、癒やされた。巨樹の生命力の強さを感じた」と森さん。「苦難を乗り越えてきた巨樹を知り、関心を寄せることが保全につながる」と語る。
作品の題名は「巨樹との対話~淡路島を守るカミに会う~」。市立図書館と共催する2日間の催しは午前11時~午後4時。作品を繰り返し上映し、来場者から感想を募る。無料。