「こうなりたいという気持ちが一番の力に」 世界的バレエダンサー針山さん、小学生に夢を語る

2021/11/27 05:30

バレエのポーズを児童らに見せる針山さん=南あわじ市神代富田

 世界的バレエダンサーの針山愛美さん(44)がこのほど、兵庫県南あわじ市神代富田の神代小学校を訪問し、全校児童約150人に華麗な舞を披露した。16歳の時に単身でロシアに渡ってバレエの技術を磨いた経験を語り、夢を持つ大切さを伝えた。(中村有沙) 関連ニュース 80代バレリーナ3人が初舞台へ 10日、西脇の「芸能まつり」 日々練習、成長「楽しい」 平和祈り「くるみ割り人形」 松山バレエ団、2年ぶり大阪で 11月16日   「コスプレイヤーの現実を見よ!」理想に近づくために…陰の努力に「立ってるだけで大変」 「バレエダンサーやん」


 針山さんは大阪府吹田市出身。ロシアや米国、欧州各地で活躍してきた。現在もベルリンに拠点を置くほか、日本の拠点として昨年から淡路市に在住。同市野島大川にあるレストラン「青海波」内の劇場に出演することもある。
 神代小へは、スポーツ界や文化界の第一線で活躍する人を小学校などに招く市教委の「夢プロジェクト」で訪れた。日本で活動するラトビア出身の男性ダンサーを伴って登場。基本の足の形を実演すると、児童らは見よう見まねで、バランスをとりづらそうにしながら挑戦した。
 さらに「眠れる森の美女」の一部を披露した。淡いピンク色の衣装とトーシューズ姿の針山さんが足を高く上げたり、体を持ち上げられたりする場面で児童らが歓声をあげた。
 講演では、「16歳でロシアに渡った時は携帯電話がなく、親と連絡がとれなかった。街中で戦車を見かけることもあり、怖くて寂しかった」と振り返った。そうした中でバレエに打ち込んだといい、「それぞれが好きなことを一生懸命やって。自分はこれがしたい、こうなりたいという気持ちが一番の力になる」と呼び掛けた。
 質問にも答えた。ロシアの国立バレエ学校を首席で卒業したことについて、児童が「なぜトップでいられたのか」と尋ね、針山さんは「本当に好きだから人の10倍できた」と応じた。
 6年生の男子児童(12)は、「僕にもプロ野球選手になる夢がある。練習でうまく打てないこともあるが、針山さんのようにこれからも努力を続けていきたい」と話していた。

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ