淡路移住アーティスト、飲食店にぬくもりの壁画 東京出身の女性
2022/01/31 05:30
壁一面に描いた作品=洲本市本町7
東京から兵庫県淡路市に移住した若手アーティストの稲葉佳苗さん(33)が、同県洲本市本町7の飲食店「ごはん屋nana」の店内に壁画を描いた。オーナーの母娘をイメージしたという温かみのある色彩。「創作に没頭したくて淡路島に来た」と表現の場を求める。(内田世紀)
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稲葉さんは東京都渋谷区出身。父がイラストレーターで、幼い頃から絵に親しんだ。歯科衛生士の傍ら、アニメーションの作画や、即興で絵を描くパフォーマンス「ライブペイント」を手掛けるように。「雑踏から離れて絵を描きたい」との思いが強まった。
2020年10月、知人と淡路島を旅し、国生み神話ゆかりの伊弉諾神宮(淡路市多賀)を訪れた。「魂を抜かれたような感覚。見えない何かに呼ばれて来たような気がした」という。2カ月後に仕事を辞めて引っ越した。「感情が動いた時に頭の中に流れる色彩を表現する」と、抽象画を中心に描く。
昨年12月、食事に立ち寄った同店で真っ白な壁が気になった。会計の際、オーナーの近藤美香さんと長女の坂田那苗さんに「絵を描かせて」と提案した。作品の写真を見た2人は「明るい絵に好感が持てた」と快諾した。
壁画は、近藤さんの印象を緑の花に、坂田さんをオレンジ色の太陽に重ねた。「色のコントラストがきれい」「店の雰囲気にぴったり」と母娘。稲葉さんは「店がいつまでも愛されるよう、思いを込めた。活動の幅を広げたい」と話す。制作依頼は、稲葉さんのホームページ「Artist佳苗」からメールで受け付けている。