特産タマネギのスープがお手軽「昆虫食」に 粉末加えた「コオロギのすうぷ」商品化 洲本の食品メーカー

2022/02/02 12:30

タマネギスープをベースに食用コオロギの粉末を加えた「コオロギのすうぷ」(浜田屋本店提供)

 食品メーカーの浜田屋本店(兵庫県洲本市安乎町平安浦)が、淡路島産タマネギのスープに食用コオロギの粉末を加えた「コオロギのすうぷ」を商品化した。東京農業大生が起業した昆虫食ベンチャーのうつせみテクノ(東京)と共同開発した。近年、話題の昆虫食と、地元の特産素材の組み合わせで売り出す。(中村有沙) 関連ニュース えびせん?チョコの香り? 「昆虫食」に注目集まる 「おいしく高い栄養価」 コオロギが地球を救う? 未来を考える「教育スナック」爆誕 気になる味は…さっぱりサクサクエビせん風味 スーパーの鮮魚コーナーにシュモクザメ! 全長3メートル、重さ200キロ

 両社によると、食材としてのコオロギなどの昆虫は高タンパクで栄養価が高い。食品の残りかすを餌にして効率的に生産できる利点があるといい、将来の食糧危機に役立つと国際的に注目されている。
 浜田屋本店の濱田智基専務(33)は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に関心を持ち、社業に取り入れたいと考えていた。うつせみテクノが昆虫を原料に食品の開発や生産を手掛け、国産コオロギの普及拡大に向けたクラウドファンディングを展開していると知り、粉末を仕入れることにした。
 淡路島らしさを出すため、タマネギスープを第1弾の商品に決めた。広島市内の協力工場で製造し、香ばしさをほんのり感じる程度になるようコオロギの粉末の量を調整した。1食分当たりコオロギ3匹分の粉末が入っている。
 パッケージは、「『何これ』と思わず手に取ってしまうように」と、人間とスープに入ったコオロギを描いたイラストでインパクトの強さを狙った。
 濱田専務は「コオロギと聞いて抵抗感を持つ人も、スープなら見た目にはわからない。味も昆虫感はなく、飲みやすい。昆虫食のイメージアップにつながれば」と話す。
 1食6グラム。5袋入りで680円。浜田屋本店のオンラインショップで販売する。島内の観光施設などでも販売を目指すとしている。

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