エントランスは元校長室、進路指導室は飲食スペースに 廃校再生した宿泊施設オープンへ

2022/05/20 05:30

校長室だったエントランスロビー=Reベース369

 2011年3月末閉校の旧淡路高校一宮校(兵庫県淡路市郡家)を再生した宿泊研修施設「Reベース369(みろく)」が21日、オープンする。スポーツ合宿や企業研修などを想定。運営する神戸市須磨区の造園業、席定京吾さん(44)は「住民の力を借りてここまできた。卒業生や地域の人たちに愛される施設を目指す」と力を込める。(内田世紀) 関連ニュース 【写真】一般教室は黒板が残る客室に 【写真】カラフルに彩った階段の壁 地域から愛される施設に 改修中の旧淡路高一宮校で内覧会


 同校は1928年、私立一宮実践女学校として開校。県立淡路農業高校一宮分校を経て98年に淡路高校一宮分校となり、2001年に一宮校と改称された。卒業生は4千人を超える。県は19年に売却を決定。「須磨北造園土木」を経営し、警備会社やダンススタジオ、保育園などを手掛ける席定さんが20年に購入した。
 敷地面積約1万平方メートル、3階建て校舎は延べ約1800平方メートル、体育館は約780平方メートル。同社の従業員がボランティアで改修の一部や周辺の整備に取り組んだ。蒼開高校(洲本市)のサッカー部や女子硬式野球部の生徒も、不要品の運び出しや伐採した木の運搬などを手伝った。
 校長室はエントランスロビーに、進路指導室は飲食スペースにそれぞれ改修。2階の一般教室は客室とし、黒板をそのまま残した。被服室は学校の机が並ぶセミナールームに、畳を敷き詰めた作法室は宿泊用の大部屋に生まれ変わった。今後、体育館の改修などを進めるという。
 大部屋の団体利用で1人1泊5千円から。食事は別途、料金が必要で、バーベキューなどを含めてプランに応じて見積もる。席定さんは「豊かな環境の淡路島には不思議な力がある。研修や合宿で課題解決に役立ててほしい」と話す。
 21日午前10時半から、オープン記念イベント「淡と宙のマルシェ」を開く。同社で活動するダンサーがステージに登場。ハンバーガーや綿菓子のキッチンカー、雑貨販売や工作体験などのブースが並ぶ。須磨北造園土木TEL078・742・0766

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