昭和のヒットメーカー、未発表作は40年以上前の書下ろし CD化され、洲本の母校で歌声響く
2022/05/22 05:30
子どもたちと風船を空に飛ばす林部智史さん=都志小学校
没後15年を迎える兵庫県洲本市五色町出身の作詞家阿久悠さんの未発表作をCD化し、25日に発売するシンガー・ソングライター林部智史さん(34)が19日、阿久さんの母校の都志小学校を訪れ、ミニコンサートを開いた。児童と保護者ら約100人が林部さんの歌声に聞き入った。(内田世紀)
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林部さんは2016年に「あいたい」でデビュー。同年、日本レコード大賞や日本有線大賞の新人賞に輝いた。ミニコンサートは発売を記念し、林部さんの所属事務所「ザ・カンパニー」(東京都)が主催した。
CD化した未発表作は、「いずこ~ふたたび歌を空に飛ばそう~」。日本を代表する作曲家の都倉俊一さんが曲を付けた。
阿久さんのマネジメントをしていた同事務所の音楽プロデューサー西澤雅巳さんによると、1980年ごろの作品。79年に発売された携帯音楽プレーヤーのヒットで、「街を彩っていた音楽が個人で完結してしまう」と、危惧した阿久さんが書き下ろしたという。
「現代のコロナ禍や国際紛争のような逆境を予見していたような歌詞だ」と林部さん。ミニコンサートで、「この青空を歌で満たそう」「吐息のような歌を季節の風の中へ」と、澄んだ歌声を響かせた。児童代表は「保育士になりたい」「東大に行きたい」などと将来の夢を披露し、林部さんは「つらいこともあるけど、夢を諦めないで」と呼び掛けた。
その後、曲にちなんで校庭で風船を飛ばした。風船には児童たちの夢をつづった動画にアクセスするQRコードを付けた。6年生の男児は「きれいな歌声でかっこよかった。僕は運動会を頑張る」。別の男児は「阿久悠さんは郷土の誇り。科学や歴史の研究者になる夢に向かって努力したい」と話していた。林部さんは8月27日、淡路市のしづかホールでコンサートを開く。