月面探査車、ゲームと違って「操作難しい」 開発秘話や体験に児童興奮 南あわじ
2022/08/21 05:30
オンラインで開発秘話などを児童に話すダイモンの中島紳一郎社長(国立淡路青少年交流の家提供)=南あわじ市阿万塩屋町
年末にロケットで打ち上げ予定の月面着陸機に搭載される小型探査車の模擬機の操作体験や、開発秘話を聞く講座が、兵庫県南あわじ市阿万塩屋町の国立淡路青少年交流の家で開かれている。淡路島内外の小学4~6年生7人が参加しており、19日から2泊3日の日程で壮大な宇宙への興味を深めた。(西竹唯太朗)
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宇宙開発ベンチャー、ダイモン(東京都)が昨年に完成させた月面探査車「YAOKI(ヤオキ)」。民間で世界初の月面探査を予定している。月の地下にある巨大な空洞を調査し、将来の有人基地の建設などに役立てるという。
講座は子どもらに宇宙や月への興味を持ってもらおうと、同社とシステム会社の神戸デジタル・ラボが企画。初日、施設に到着した子どもらは、自己紹介などで親睦を深めた後、オンラインでダイモンの中島紳一郎社長の講話を受けた。探査車の名称はことわざの「七転び八起き」にちなんだことや、開発に10年を費やしたことを紹介。月への輸送費が1キログラム当たり約1億円かかるとされる中、幅約15センチ、高さ約10センチ、重量約500グラムと、コストダウンのため小型化に努めたことも説明した。
2日目は、いよいよ操作体験に挑戦。専用のコントローラーを使い、旋回や直進などの走行方法を確認した後、月面を模したテント内で探査車を動かし、指定されたカードを探すミッションに臨んだ。
児童らは機体に搭載されるカメラの映像をモニター越しに見ながら、探査車を動かした。テント内は締め切られ、ほとんど光が入らない状態。さらに岩などを想定した障害物も配置されており「見えにくい」「映像と探査車の動きにタイムラグがある」などと悪戦苦闘しながらも、未知の体験を楽しんでいた。
同県宝塚市から参加した小学4年の男児(9)は「ゲームの操作で慣れているつもりだったけど、難しかった」と話していた。