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表紙に「SOS」と大きく記されたファイルを手にする湯井恵美子さん。「ぜひ、お父さんも書いてほしい」と呼び掛ける=神戸市中央区脇浜海岸通1
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表紙に「SOS」と大きく記されたファイルを手にする湯井恵美子さん。「ぜひ、お父さんも書いてほしい」と呼び掛ける=神戸市中央区脇浜海岸通1

 非常時に備え、わが子の障害の特性などを書き込んでおく「SOSファイル」を広げようと、ADI災害研究所(大阪市)理事で、兵庫県立大学大学院(神戸市中央区)で学ぶ湯井(ぬくい)恵美子さん(51)=大阪府吹田市=が普及に力を入れている。混乱の中でも適切な支援が得られるよう、「パニックへの対応法」「トイレや食事、コミュニケーションで必要な手助け」など、多岐にわたる情報を記入。用紙はインターネットで公開し、「もし家族がいなくなっても子どもが生き延びられるよう、一歩を踏み出して」と呼び掛ける。(新開真理)

 湯井さんの次男、亮さん(22)は知的障害があり、2011年に吹田支援学校高等部(吹田市)に入学。翌年、学校関係の研修に参加した湯井さんは、福岡県西方沖地震(05年)を受けて福岡市の支援学校の保護者会連合会が作った「SOSファイル」を知った。

 「今、災害があって帰れなくなったら、お子さんは大丈夫ですか」という講師の問いに心が動き、翌日、関係者に連絡。地元の防災・福祉関係者らと連携し、13年春に拡充版を完成させた。作業を通じ「障害者を取り巻く環境の厳しさと、備えの大切さを痛感した」と振り返る。

 用紙はA4判、全59ページ。パニックになった場合の対応法▽日常生活で必要な支援▽薬の種類▽避難時の持ち物▽食べてはいけない物-などを記入する。避難所生活を想定し、最低限伝えたいことを記す「ケアポイント表」もある。

 また、普段に持ち歩ける名刺大の「たすけてカード」も作成。連絡先、障害の特性、意思疎通の方法などを記すようになっている。

 ファイルは近所の人や保護者の実家に渡したり、自家用車のトランクに保管したりしておくことを勧めている。湯井さんも友人に託しているほか、離れて暮らす家族とウェブ上で共有しているという。

 子どもの能力を客観的に見つめ、暮らし全般について書き込むため、負担は少なくない。「個人情報だから」とためらう声もあるという。だが湯井さんは「障害についてきちんと伝えることで、親がいなくなっても周りに助けてもらって生きていける、と思えるようになりました」と語る。

 用紙は「吹田支援学校」の公式サイトからダウンロードできる。

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