防災防災ひょうご防災新聞

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 阪神・淡路と東日本の二つの大震災を経験し、現在は人命救助などを担うレスキュー(災害対応)ロボットの開発をリードする研究者がいる。救急隊員らが入れないがれきの隙間などを進み、倒壊した建物の中で被災者の探索などを行う災害対応ロボ。「普及への壁は厚いが、誰かがやらなければいけない。命を救うための研究を一歩一歩進める」と力を込める。(井上太郎、横田良平)

 東北大大学院情報科学研究科教授の田所諭(さとし)さん(59)。23年前の阪神・淡路大震災時は神戸大助教授だった。同大では学生と教職員計41人が亡くなった。

 自身は大きな被害を免れたが、学生が口にした「がれきに埋もれた人を助けられず、見殺しにしてしまった」という嘆きにショックを受けた。「人を救うものをつくらなくては意味がない」。ロボットの研究者としてそう痛感し、災害対応ロボの研究に専念すると決めた。

 倒壊家屋で住民の救助にあたった学生や救助隊員らの体験を基に、狭い空間に入れるヘビ形ロボ、無限軌道でどこでも自在に動ける地上走行ロボを開発。その後、2005年に東北大に移り、11年3月に東日本大震災が起きた。

 東日本では津波被害が大きく、がれきの中などを捜索するヘビ形ロボには不向きだった。一方、地上走行ロボは屋根が崩落した建物内で二次崩落の恐れがないかを調べ、東京電力福島第1原発の原子炉建屋内では情報収集に従事。先行投入された米国製ロボが上れなかった2階の映像を撮影するなどの成果を上げた。

 14年には、災害対応ロボの性能向上を目指す内閣府の5カ年事業「タフ・ロボティクス・チャレンジ」の企画リーダーに就任。同事業には70を超える大学や企業が参画しており、現在、学生を含む300人を束ねている。

 「阪神・淡路の直後は『もっと役に立つ研究をすれば』との声もあったが、東日本を経て必要性が認知されてきた」と田所さん。「災害対応ロボを、社会にあって当たり前の存在にしたい。ここからが正念場」と先を見据える。

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