防災防災ひょうご防災新聞

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被災者への公的支援を求める市民立法案の実現を訴え、国会周辺を歩く市民グループ。最前列中央が小田実氏=1997年5月20日、東京都千代田区永田町
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被災者への公的支援を求める市民立法案の実現を訴え、国会周辺を歩く市民グループ。最前列中央が小田実氏=1997年5月20日、東京都千代田区永田町
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 22日で公布から20年となる「被災者生活再建支援法」は、これまでに72の災害を対象に計4352億円の支援金を被災者に支給した(3月末時点)。個人の生活再建に焦点を当てた制度で、同法成立は日本の災害法制史上の転換点となった。阪神・淡路大震災の被災者らの運動で実現し、全国の被災地の声を受けた2度の大改正では住宅建設や補修への支給も可能に。ただ、被害が半壊以下では対象外となるなどの課題も指摘されている。(金 旻革)

 同法は1998年5月15日、与野党6党の共同提案で成立、同22日に公布された。最大100万円を支給する制度は、阪神・淡路当時に「個人補償はできない」と繰り返した国の考え方に風穴をあけた。後押ししたのは、被災した市民の声だった。

 西宮市在住の作家、小田実(まこと)氏(故人)らの提案を受け、超党派の国会議員が97年5月、市民立法案「災害被災者等支援法案」を参院に提出した。全壊世帯に500万円、半壊で250万円を支給する-という内容だった。

 市民立法案は最終的に廃案となるが、98年4月の参院災害対策特別委員会で1度だけ審議された。参考人で出席した小田氏は「人間の国を造ろうじゃないか。この法案は、そのたたき台なのだ」と国の在るべき姿を訴えた。被災者支援の新たな道を開く上で大きな役割を果たし、被災者生活再建支援法の成立につながる。阪神・淡路へは遡及(そきゅう)適用されなかったが、復興基金で被災者自立支援金を支給する行政措置がとられた。

 法制度は最初の10年でめざましく改善した。2004年の改正で支給額が最大300万円に引き上げられた。使途制限や年収・年齢要件は、07年の再改正で撤廃された。定額支給となって受給手続きも簡素化し、同年の再改正前に発生した4災害(能登半島地震、新潟県中越沖地震、台風11、12号)にもさかのぼって適用された。

 再改正時には、法制度の見直しについて「施行後4年をめどに総合的に検討する」との付帯決議が盛り込まれたが、当該年に東日本大震災が発生。当時の民主党政権は、液状化現象など被災地の実情を踏まえて被害認定の運用基準を拡大したが、本格的な再検討はされないままに。市町村単位で一定数の住宅被害が出なければ法適用されず、半壊以下の被害には支給されないなどの問題点は依然残っている。

■件数の7割超は台風と豪雨

 自然災害の被災者に公的支援する「被災者生活再建支援法」は成立から20年間で、約25万8800世帯に支援金を支給してきた。対象となった災害は地震をはじめ、台風や豪雨、竜巻など多岐にわたり、災害大国・日本になくてはならない法制度となった。

 内閣府によると、今年3月末時点で同法が適用された災害は72件。件数別で7割超を台風と豪雨が占めた。兵庫県では4件に適用。2004年の台風23号では豊岡市の円山川が氾濫するなど被害が拡大し、1227世帯に7億3千万円が支給された。14年に丹波市であった豪雨では31世帯が6500万円を受け取った。

 11年の東日本大震災では、これまでの支給総額約4352億7千万円の8割に上る3483億3千万円を支給。19万8千世帯に及んだ。支援金は47都道府県でつくる基金と国が折半して拠出するが、基金の負担が困難と判断され、国は5分の4を拠出する特別措置を取った。

 東京都・三宅島の噴火災害や埼玉県越谷市の竜巻災害も対象となった。さらに、強風が招いたものとして新潟県で起きた糸魚川大火でも支給が実現した。

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