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 大規模災害時に仮設住宅整備など被災者支援の権限を都道府県から政令市に移譲する改正災害救助法が8日、成立する見通しとなった。「迅速かつ円滑な支援が可能になる」と期待する政令市側に対し、都道府県側は「広域調整機能が担保されるか不明確」と反対しており、主張は対立したままだ。(今福寛子)

 同法は仮設住宅整備や避難所運営などの権限は都道府県にあると定め、知事は市町村に事務委任できると規定している。1995年の阪神・淡路大震災の経験から権限移譲を求める政令市側が見直しを要望し、2011年の東日本大震災で議論が活発化。政府は15年に「法改正の必要はない」と閣議決定したが、16年の熊本地震を機に再燃した。

 仙台市は東日本大震災当時、仮設住宅の用地選定ができていたにもかかわらず、宮城県から事務委任されず、県内一律で建設が進められたため着工が遅れたと主張。市の担当者は「発生直後は迅速性が大事。市に権限があれば1カ月早く完成した」と話す。

 一方の宮城県は「公平性」を重視する立場を強調。県の担当者は「混乱期に地域による偏りがあれば、住民の不公平感が高まり許容されない。被害が広域であるほど公平な配慮が必要だ」と訴える。

 改正法案は、国が知事の意見を聞いた上で、都道府県と同等の対応能力を持つ政令市を「救助実施市」に指定する。避難所や仮設住宅の設置、がれきの除去など10項目の権限を都道府県から政令市に移し、迅速な被災者支援を可能にするのが目的だ。

 全国知事会は、指揮系統が複数になることで都道府県による広域調整権が損なわれるとの懸念を表明。また、食料や建設資材、業者が集中する政令市が必要な物資を先取りする恐れがあるとする。内閣府は「改正法でも食料や資材の配分は都道府県が調整すると規定している。独り占めが起きないように、都道府県との連携体制を確認した上で実施市を指定する」と説明し、理解を求めている。

 来年4月1日の改正法施行に向けた焦点は、財政状況や防災体制の確立など具体的な実施市の指定基準づくりだ。内閣府は、都道府県と政令市を交えた検討会を立ち上げ、18年度中に指定基準を定める。

【災害救助法】大規模災害時に都道府県が避難所や仮設住宅、支援物資支給などの主体となることを定めた法律で、1947年に施行された。都道府県が災害救助基金などから費用を支出し、うち5~9割を国が負担する。改正法案では、権限移譲される政令市にも基金の積み立てを義務付ける。

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