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これまで発行してきた「にっち倶楽部」を読み返し、活動を振り返る久野幸子さん(右端)らメンバー=芦屋市宮塚町
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これまで発行してきた「にっち倶楽部」を読み返し、活動を振り返る久野幸子さん(右端)らメンバー=芦屋市宮塚町
最終号となった「にっち倶楽部」91号の表紙
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最終号となった「にっち倶楽部」91号の表紙

 阪神・淡路大震災の発生から4年後に創刊し、被災した中高年の人たちに暮らしや外出に関する情報などを紹介してきた情報誌「にっち倶楽部」が6月発行の第91号で終刊した。阪神間を中心に、国内外に最多で3500人を超える定期購読者を抱え、豪雨被害に遭った兵庫県佐用町や東北、熊本といった震災、地震の被災地支援にも注力した。ボランティアで発行を続けたが、メンバーが高齢となったため、19年で幕を下ろす。(初鹿野俊)

 にっち倶楽部は1999年7月、芦屋市のグラフィックデザイナー久野幸子さん(72)さんが中心となり、女性5人と10万円ずつ出し合って発刊。阪神・淡路大震災の混乱から落ち着きを取り戻す一方、孤立する高齢者が多かったことから「お年寄りが楽しく読めるものを」と考えついた。

 大きめの文字にし、誌名は英語で「居場所」を意味する「ニッチ」から名付けた。当初は隔月で発行し、2006年からは季刊誌に。メンバーの人脈を生かして取材相手を探し、執筆や記事のレイアウトも手掛けた。

 100歳のお年寄りに生きがいや長寿の秘訣などをインタビューした連載記事「百歳の肖像」や、生活に役立つ豆知識、川柳や俳句の読者投稿コーナーなどを掲載。外出のきっかけにしてもらおうと、神戸、阪神間の散歩コースを紹介したほか、読者参加型の料理教室やバスツアーも企画した。

 旺盛にさまざまな情報を取り上げる一方で、震災の記事はしばらく避けた。「私たちも被災者。どう触れたらいいのか分からなかった」と久野さん。初めて震災を取り上げたのは、創刊から4年が経過してからだ。生き埋めになって助け出された人や夫を亡くした女性、避難所のボランティアらによる座談会を記事化した。

 被災地支援にも取り組んだ。県西・北部豪雨に見舞われた佐用町では、過去の「百歳の肖像」を紹介するパネル展を開き、現地の100歳のお年寄りを取材。東日本大震災や熊本地震の福祉施設には、読者から寄せられた支援金を届けた。

 人間国宝の桂米朝さんら著名人の記事も評判を呼び、米国やカナダ、スウェーデンからも定期購読があった。しかしメンバーの平均年齢が70歳を超え、終刊を決めた。久野さんは「お金をもらう以上いい加減なものは作れない」とし、「読者や取材先から教わることも多く、いろいろな人生経験をさせてもらった。感謝しかない」と感慨深げに話す。

 第91号では「百歳の肖像」のほか、支援してきた宮城県石巻市の老人ホーム関係者の寄稿などを掲載。1部500円。NPO法人にっち倶楽部TEL0797・35・5160

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