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 30年以内の発生確率が70~80%とされる南海トラフ巨大地震に備えるための一斉避難訓練が「世界津波の日」の5日、瀬戸内海沿岸と淡路島の兵庫県内15市町で行われた。幼い子どもや障害者など自力避難が困難な人々の命を預かる施設では避難行動の問題点を点検。最大32万人に上る死者が想定される中、要支援者の命を守るための課題が浮かび上がった。(金旻革、太中麻美、斉藤絵美、赤松沙和)

 訓練はマグニチュード9、最大震度7の揺れにより高さ最大8・1メートルの津波が襲ってくる、と想定。学校園や社会福祉施設、企業など約230施設の計約7万8千人が参加した。午前10時に緊急地震速報が発表され、数分後に浸水想定区域15市町の住民らに大津波警報が出された。

■乳幼児の徒歩移動に限界

 尼崎市杭瀬本町1の認定こども園「くいせようちえん」では、地震を知らせる放送と同時に園児ら約140人が頭を抱えたり、椅子や机の下に潜ったりして身を守った。5歳児クラスの24人は、約500メートル北の同市立杭瀬小学校まで歩く避難訓練に初めて臨んだ。

 「ガラスなど落下物の注意点を学んだり学校との連携を確認したりできた」と中西利栄園長(65)。「実際の災害で子どもたちを連れて訓練通りに移動できるだろうか」と懸念も口にした。

 0~2歳児は徒歩での避難は難しい。「避難か、園にとどまるか。その場で判断しないといけない。専門家の意見を取り入れながら、どう改善するか洗い直したい」と話した。

 乳幼児や高齢者、障害者など避難に手助けが必要な災害弱者をいかに救うかは、災害時の大きな課題だ。東日本大震災では死者の約6割が65歳以上で、障害者の死亡率は住民全体の死亡率の約2倍に上った。

■知的障害者混乱する人も

 南海トラフ地震で最大1~2メートルの浸水が想定される西宮市久保町の障害者施設「ワークメイト西宮聖徳園」では、知的障害がある20~30代を中心に利用者と職員約60人が訓練に参加。午前10時に館内放送が流れると、利用者は職員に促され作業台などの下に身を隠した。急に体を起こそうとする人もいたが、職員が背中をさすって落ち着かせ、座布団で頭を守りながら2階の食堂へ避難した。

 一方で、廊下でしゃがみ込んでしまうなど3人が避難できなかった。支援員の高田眞作さん(60)は「イレギュラーに対応しにくく、パニックを起こす利用者もいる」と説明。園では防災訓練を毎月重ねており、「放送に合わせて身を隠し、避難するという流れを体で覚えるしかない」と話した。

 洲本市役所でも車いす利用者を職員4人で持ち上げる避難訓練を行った。

 ◆避難支援名簿、全市区町村の97%作成

 総務省消防庁は5日、災害で避難する際に手助けが必要な住民の名簿を作成済みの市区町村が、6月1日時点で97・0%になったと発表した。前年同期から3・2ポイント増。来年3月末までには99・5%になる見込みだ。名簿は、支援が必要な障害者や要介護認定者らを行政が事前に把握することで迅速な避難につなげる狙いがあり、氏名や住所、連絡先などを記載する。2014年施行の改正災害対策基本法で、全市区町村に作成が義務付けられた。都道府県別の作成率は、兵庫県のほか岩手や鹿児島など29府県が100%。最も低いのは青森の80・0%。(共同)

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