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 兵庫県は1日、高潮による阪神地域(尼崎、西宮、芦屋、伊丹市)の浸水想定区域図を公表した。「想定し得る最大規模」での予測は初めて。尼崎市は市域の4分の3が水に漬かり、海岸から遠い西宮市の阪急西宮北口駅や伊丹市まで浸水する。県は「数十万人規模の住民をどう避難させるかが最大の課題」とし、各市と対策の検討を始める。

 高潮は、台風などによって海水面が普段より高くなる現象。近年、想定を超える被害が多くなっていることから2015年に水防法が改正され、県は17年度から検討を進めてきた。

 まず、昨秋の台風21号で高潮被害を受けた阪神地域で着手。1934年の室戸台風などを参考にし、「500~4千年に一度」という規模の台風が、最も潮位が高いタイミングで上陸し、全堤防が決壊して河川も氾濫した-という想定で予測した。

 その結果、尼崎市で38・6平方キロメートル(市域の76%)、西宮市で20・7平方キロメートル(同21%)、芦屋市で3・7平方キロメートル(同20%)、伊丹市で0・6平方キロメートル(同2%)が浸水するとされる。一般的な一戸建ての2階が水に漬かる目安となる浸水3メートル以上の地点は4市全体の浸水面積の5割強に上り、そのうち2階屋根まで水没する地点も2割を超えた。

 浸水区域には市役所や駅、病院なども含まれる。海抜ゼロメートル地帯が広範囲に広がる尼崎市では、阪神尼崎駅で深さ6・0メートル、尼崎市役所で3・6メートルとなった。西宮市は兵庫医科大学病院で5・6メートル、阪急西宮北口駅でも0・1メートルの浸水が想定される。

 沿岸から最も遠い浸水地点は、海岸から約9キロ離れた伊丹市内。高潮が川をさかのぼって市街地に水があふれるという。県の担当者は「思ったよりも広範囲で衝撃を受けた」とする。

 兵庫県は今秋にも、今回対象の4市に神戸市の防災担当者と有識者らを交えた「避難対策検討委員会」を発足させる。浸水想定エリアの民家や建物などのデータを集め、移動ルートの確保や受け入れ先との調整などを検討。県が19年度末にガイドラインをまとめ、各市町が防災計画やハザードマップに盛り込む。

 県は8月末に神戸市について公表し、19年度中に播磨沿岸、但馬沿岸、淡路沿岸についてもシミュレーションする。浸水想定区域図は県のホームページで確認できる。(竹本拓也、前川茂之)

【想定、絵空事ではない 河田恵昭・人と防災未来センター長の話】 兵庫県が想定したモデル台風は決して絵空事ではない。設定条件次第では、さらに潮位が上がる可能性すらある。

 高潮は台風が近づくほど高くなるため、手遅れになる前に逃げられるかどうかが鍵だ。浸水してから避難を始めたのでは遅いということを、昨年7月の西日本豪雨で学んだはずだ。

 海の水は無尽蔵に流入するため、たとえ堤防が決壊しても水位は簡単に下がらない。洪水とは異なるということを、この機会に住民と自治体双方が理解することが大切だ。

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