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災害時の歴史資料の保全を話し合った全国集会=神戸市東灘区御影石町、御影公会堂
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災害時の歴史資料の保全を話し合った全国集会=神戸市東灘区御影石町、御影公会堂

 災害時、歴史資料の保全のため何ができるかを考える「全国史料ネット研究交流集会」が、このほど神戸市東灘区の御影公会堂で開かれた。全国から20以上の史料保全団体が参加。昨年10月の台風19号の際の対応などを振り返りながら、文化財指定を受けていない資料の所在確認といった、いまだ残る課題についても話し合った。(金井恒幸)

 阪神・淡路大震災を機に、関西の歴史系学会が参加し、神戸大文学部内に「歴史資料ネットワーク」(史料ネット)が設立された。その後、全国各地に同様の団体が相次いだことから、設立20周年の2015年に第1回の交流集会を開き、今回で6回目。大学の歴史系学部教員や学生、歴史学者を中心メンバーに、3月末までに26団体が結成・結成予定という。

 長野県では昨年10月の台風19号を機に「信州資料ネット」が設立された。担当者は「運営のノウハウがなく、兵庫や新潟などの先輩から支援と協力を受けた。おかげで寺から経典や仏像、掛け軸などを多数救出できた」と振り返った。

 宮城の団体は、文化財や歴史資料の位置情報に災害ハザード情報を重ね合わせた「マップ」を、19号の際、活用した。「各地のネットが地元の文化財マップを作り、災害時の効果的な対応につなげてもらえれば」と提案した。

 一方、福島の団体は、民間が所有する文化財未指定の古文書などが水損で大量に廃棄されたことに触れ、「救う方法がなかったのか」と、後悔を表した。

 震災や水害自体を記録した「災害資料」の保全や、経験をどう生かすかにも議論が及んだ。

 河北新報社大崎総局長の喜田浩一さんは「過去の豪雨では自治体の災害対策本部の記録などが保存されず、台風19号には生かされなかった」と、取材をもとに指摘。公文書館の設置や公文書管理条例の整備などが必要とし、「ネットがある全国各地の議会へ請願をするのはどうか」と提案した。

 先駆的な例として、長岡市立中央図書館(新潟)は14年度に災害復興文庫を開設、04年の中越地震で救済した資料や、当時の対応を記録した災害資料などを所蔵している。担当者は「神戸の経験を生かした。避難所運営のノウハウなどは、熊本地震の応援に活用できた」と語った。

 史料ネット代表で神戸大大学院教授の奥村弘さんは「史料をどう守るか、日頃から地域住民とも話し合い、史料を大切にする社会のコンセンサスを得ていきたい」と目標を話した。

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