深刻…人手不足 九州豪雨、神戸の団体が物資配布
2020/07/12 06:30
崩れた民家やひっくり返った車両が残る5日朝の熊本県人吉市内(神戸国際支縁機構提供)
国内外の被災地支援に取り組む神戸市垂水区のボランティア団体「神戸国際支縁機構」がこのほど、豪雨による球磨川の氾濫で大きな被害が出た熊本県南部を訪れ、約500食分の食料を配布した。同団体理事長で牧師の岩村義雄さんは「家族や家屋を失い、ぼうぜんとされている住民が多かった。何よりもマンパワーが足りない」と話す。
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同団体は、交流のある熊本県内の病院職員から被害の概要を聞き、氾濫が起きた4日のうちに岩村さんら3人が車で熊本県芦北町に入った。この時点で外部からの支援はほとんどなく、5日まで同町と人吉市、多良木町を回り、神社や民家などに炊き出し用の野菜や米を配った。避難所にはマスクを届けた。
訪れた集落の至るところで家屋が土砂に覆われ、乗用車が横転し、家族や近隣住民が総出で泥かきを続けていたという。岩村さんは「高齢者が多く、不慣れな作業と今後の生活への不安で疲労感がにじんでいた」と話す。
浸水被害を受けた人吉市の国宝青井阿蘇神社では宮司と面会した。4日午前5時には境内に何も異変はなかったというが、同6時ごろからわずかの間に水が2階まで達し、ひざまで水に漬かったと聞かされた。
同団体は被災地の関係者と情報交換し、今後の活動拠点などを見極める。岩村さんは「被災家屋を回り、対話するような活動も必ず必要になってくる」と話す。(竹本拓也)