伊丹市、防災アプリ導入へ LINE活用、AIが避難支援

2020/08/27 06:30

伊丹市役所=伊丹市千僧1

 兵庫県伊丹市は、災害発生時に迅速に情報を収集したり、きめの細かい避難支援をしたりするため、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を活用した防災アプリを導入する。集まった被害情報を分析し、避難所の開設状況などについて人工知能(AI)が自動応答する。AIによる避難支援などを盛り込んだ防災アプリの本格運用は県内で初めて。(久保田麻依子) 関連ニュース 三木東高校、学びの成果披露 統合予定の三木北、吉川も参加 AI相談や地域活性化、被災地交流を発表 マイクロソフト、生成AIをもっと身近に 瞬時に資料作成など業務効率化 中小企業向け新サービス マイクロソフトのAI活用ラボ、3カ月で26社が利用申し込み 製造業、医療など多彩、共同開発進む 神戸


 事業は民間気象会社と提携し、来年4月から実施する。9月の市議会に提案する一般会計補正予算に約1900万円を盛り込んだ。
 情報収集では、災害発生時に道路や河川の異状、土砂崩れなどを発見した市民が、現場をスマートフォンなどで撮影。画像や位置情報をラインで送信すると、災害対策本部に瞬時に届く仕組みで、現場出動や被害状況の迅速な把握が可能になる。
 避難支援では、「〇丁目の避難所はどこ」など、災害時に知りたい情報を質問するとAIが自動応答する。運用後は順次、質疑応答をAIに学習させ、停電や断水などでも幅広い情報提供を目指すという。
 同市危機管理室によると、市内には約8千人の災害時要援護者が登録されており、2018年9月の台風21号ではこのうち約千人に電話で安否確認を行った。また、大雨や台風での情報収集は会員制交流サイト(SNS)を頼ることが多く、真偽の判別が難しいこともあるという。担当者は「防災のIT化で被害把握の精度とスピードを高め、避難が必要な人に効率的に情報を届ける手助けとなれば」と説明している。

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