神戸大、新船は「海神丸」 大型化で機能も充実
2020/10/28 23:51
「海神丸」の完成予想図(神戸大提供)
神戸大(神戸市灘区)は28日、保有する練習船「深江丸」の後継として建造する新船の名称を「海神丸」と発表した。総トン数約830トンで、同449トンの深江丸より大型化。練習船としてだけでなく、探査観測や災害支援にも活用する。
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深江丸は1987年に完成。現在は同大大学院海事科学研究科の所属で、海技士の育成や、海域探査などを担ってきた。老朽化で補修費がかさむことなどから、新船建造を決めた。
海神丸は全学組織で運用。約60億円を投じて2022年4月の完成を目指す。探査観測船として最先端装置を搭載し、鹿児島県・薩摩半島沖の海底火山「鬼界カルデラ」や大阪湾の海底活断層の探査研究を行う。
災害時には被災地支援の活動もできるよう、1日10トンの造水機能やヘリコプターでの物資輸送が可能なスペースも設けている。
船内の講義室は多彩なレイアウトを可能にし、居室は4、8人部屋と少人数化して住環境を改善。女性用トイレやシャワーも拡充して男女の利用に対応した。
武田廣学長は「新船を用いて、多くの方々の海への興味を増幅する活動を積極的に展開していきたい」と話した。(太中麻美)