文化

  • 印刷
小田実さんと囲んだテーブルに座る「山村サロン」オーナーの山村雅治さん=芦屋市船戸町
拡大
小田実さんと囲んだテーブルに座る「山村サロン」オーナーの山村雅治さん=芦屋市船戸町
山村サロンで語る作家の小田実さん(左から2人目)=2007年
拡大
山村サロンで語る作家の小田実さん(左から2人目)=2007年

 30年前にオープンし、クラシックのコンサートや講演会など多彩な文化活動の場として知られる兵庫県芦屋市の「山村サロン」が、8月末で閉館することが決定した。阪神・淡路大震災後は、被災者生活再建支援法の成立に尽力した作家小田実さんら市民運動の拠点ともなった。オーナーの山村雅治さん(63)は「30年間、いろんな人を迎え、出会いの場として頑張ってくれた。サロンにお疲れさまと言いたい」と振り返った。(太中麻美)

 同サロンは「無名の人を送り出す場所に」との思いから、1986年11月、JR芦屋駅前の再開発ビル「ラポルテ」3階にオープン。能舞台を取り入れたステージに、グランドピアノを備えた和洋折衷の多目的ホールで、現代音楽などの催しに人々が集った。

 阪神・淡路大震災でサロンは半壊。そんな中、親交のあった小田さんの呼び掛けで、生活再建に苦しむ被災者に公的支援を求める活動が始まり、山村さんも事務局長として名を連ねた。「被災者を見放す国の姿勢に、深い怒りを覚えた」と振り返る。

 喫茶室のテーブルを囲んで、公的援助金を規定する独自法案を編み、国会議員宛てに立法を働き掛ける手紙を送った。議員立法で実現させるため「市民=議員立法実現推進本部」を設立。運動が実を結び、98年に被災者生活再建支援法が成立した。2007年に小田さんは死去したが、「今も亡くなったと思えず、体の中で一緒にいるような感じ」と語る。

 大学時代、恩師の教授に「人生の最初の30年は自分の訓練、次の30年は社会のために働く時期」と教わった。サロンが30周年を迎えることから、区切りを付けようと決心。今後は、自己表現を追求するつもりだ。

 数年前から演劇活動を続けており、20、30代に親しんだ詩作も再開する。「精神を集中させて取り組みたい」と、新たなステップを見据える。

 閉館後も読書会など小規模な催しは自宅で続けていく。同サロンTEL0797・38・2585

文化の最新
もっと見る

天気(6月29日)

  • 27℃
  • 23℃
  • 60%

  • 29℃
  • 20℃
  • 40%

  • 26℃
  • 23℃
  • 70%

  • 27℃
  • 22℃
  • 60%

お知らせ