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赤穂義士を描いた「赤穂義士像」など大型の作品が多く並ぶ会場=鉄斎美術館
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赤穂義士を描いた「赤穂義士像」など大型の作品が多く並ぶ会場=鉄斎美術館

 近代文人画の巨匠・富岡鉄斎(1836~1924年)が手掛けた人物画を紹介する「鉄斎-人物画の魅力-」が鉄斎美術館(兵庫県宝塚市米谷)で開かれている。「画道のはじめは人物なり」と説いた鉄斎。会場には、書と画で表現した奔放でどこか愛嬌(あいきょう)のある人物画が並ぶ。最晩年の作品も多く、見ごたえのある展示になっている。(ライター・加藤紀子)

 富岡鉄斎は江戸時代末期の京都に誕生。幼少期から学問を志し、画は「文人のたしなみ」として10代後半から学んだ。若いころから自分が尊敬し、共感した先人を顕彰することに熱心だったという。同館の学芸員の細里わか奈さんは「『万巻の書を読み、万里の路を行く』を実践した人。その人に関する文献や資料を読み、さらには史跡を訪ねて調査し、作品にすることを大切にしていた」と解説する。

 その姿勢が垣間見えるのが、赤穂義士を描いた「赤穂義士像」。大石内蔵助はじめ、赤穂義士の一人一人を緻密な筆遣いの画と文章で紹介した8曲1双の屏風(びょうぶ)だ。赤穂義士は鉄斎がよく描いたテーマ。浅野家ゆかりの京都・瑞光院が所蔵していた「赤穂義士画像」をスケッチして屏風に仕上げたもので、見比べると丹念に調査した軌跡が分かる。

 50代になると、大和絵風に描いた作品も多い。京都三大奇祭の一つで、鉄斎が復興に尽力した「牛祭図」を描いた作品は、躍動感あふれる構図が特徴。祭りのめでたく、にぎやかな様子が伝わる。

 会場左側の展示ケースの中は、最晩年に描いた作品がずらりと並ぶ。見るからに楽しげな雰囲気になるのは「七福遊戯図」。孔子(こうし)の言葉をもとに、七福神が気分転換に賭け事などをして遊んでいる様子を描いている。それぞれの神の表情やしぐさがユーモラスでほほえましい。

 「寿老人図」は、鹿に乗った眼力の強い不思議な老人が、まっすぐにこちらを見つめている。アニメのキャラクターのようにも見え、今にも話しかけてきそうな生き生きとした表情だ。大正時代の作品だとは思えないほど新しいタッチも印象的だ。

 細里さんは「緻密な調査に基づいた作品と、歳を重ねるごとに筆遣いが多彩になっていく様子も楽しんでほしい」と話している。

 今回の展示が見られる前期は5月7日まで。ほぼ全作品を入れ替え、後期は5月13日から6月18日まで。月曜休館。一般300円。高校・大学生200円、小・中学生100円。阪急清荒神駅から徒歩15分。同館TEL0797・84・9600

■学芸員による展示説明会も

 4月29日、5月27日、6月10日のいずれも午後1時半から、学芸員による展示説明会がある。要入館料、申込不要。

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