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ファン拡大を目指し、カネディアン・アカデミイの生徒と英語で美術を鑑賞した(兵庫県立美術館提供)
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ファン拡大を目指し、カネディアン・アカデミイの生徒と英語で美術を鑑賞した(兵庫県立美術館提供)
「学芸員も変化の時代を迎えている」と話す蓑豊館長=神戸市中央区脇浜海岸通1、兵庫県立美術館
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「学芸員も変化の時代を迎えている」と話す蓑豊館長=神戸市中央区脇浜海岸通1、兵庫県立美術館

 「一番のがんは文化学芸員」-。外国人観光客への説明、案内が不十分との認識から飛び出た山本幸三地方創生担当相の発言。撤回し謝罪したが波紋は広がり、兵庫県内の美術館長らからも学芸員の仕事への理解を求める声が上がっている。(鈴木久仁子、堀井正純)

 兵庫県立美術館(神戸市中央区)の蓑豊(みの・ゆたか)館長(75)は「配慮に欠けたひどい発言」と憤る。ただ学芸員も「変化すべき時代」と捉える。館長就任後は、県立美術館を活用した街の活性化を目指し、周辺での「ミュージアムロード構想」を推進してきた。

 同館には14人の学芸員がいる。「文化財保護や専門分野の調査研究は当たり前」といい、日頃から「いかに工夫して来館してもらうか、分かりやすい説明で楽しんでもらうか、という目線を求めている」と話す。

 特に重視するのは子ども世代。4月には神戸市東灘区の国際学校「カネディアン・アカデミイ」の生徒と英語で美術を鑑賞し、作品を制作する催しを企画した。「一般客に寄り添う姿勢があれば、あんな発言はなかったはず」と強調する。

 六甲オルゴールミュージアム(同市灘区)の高見澤清隆シニアディレクター(60)も「学芸員にもいろんなタイプがおり、近年は『観光』を意識した学芸員も随分いる」と指摘。自らも企画に関わる芸術祭「六甲ミーツ・アート」は、現代アートによる六甲山の「観光振興」が重要な目的で、今年で8回目を迎えるが、「山を訪れる若い世代が増えた」と胸を張る。

 一方で「最近は各地で集客重視の展覧会が増えているが、地道な調査研究と、それに基づく展覧会の企画が学芸員の重要な仕事であることも忘れないでほしい」とくぎを刺した。

 BBプラザ美術館(同)の坂上義太郎顧問(70)は「京都国立博物館がゆるキャラを作るなど、各地のミュージアムは既に経営や観光面も重視している。最近は嘱託や非常勤の学芸員も多いが、限られた予算の中、学芸員は知恵を絞っている。大臣は現場の状況を認識していない。批判ではなく、学芸員への支援をお願いしたい」と訴える。

 【学芸員】 美術館や博物館、科学館、天文台、動物園などで、歴史や芸術、民俗、科学に関する実物・資料・標本類を「収集・整理」「保管・保存」「展示・活用」「調査・研究」する職員。全国で約7800人(2015年10月時点)が働く。資格は大学や短大での単位取得などで得られる。近年は市民への教育普及活動の重要度も高まっている。

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