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 北海道から福井まで7道県11市町による申請で新たな日本遺産となった「北前船寄港地・船主集落」。申請団体に兵庫県内の自治体は含まれていないが、実は神戸や播磨、淡路、但馬にもゆかりの地があり、関係者らは「観光振興に弾みがつく」と活気づいている。

 北前船は江戸中期から明治期にかけ、大阪と北海道の間を瀬戸内海、日本海経由で行き交った商船。海運を大きく発展させるとともに「人・モノ・文化」を各地に伝え、寄港地や船主の集落は現在も独特な町並みをとどめる。北前船が地域に根付かせた祭りや芸能も多く、こうした点が日本遺産に認められた。

 兵庫県内には赤穂市坂越(さこし)やたつの市御津町室津、新温泉町諸寄(もろよせ)など複数の寄港地がある。中でも県最北端の猫崎半島の根元にある豊岡市竹野町は、向かい風が順風に変わるのを待つ「風待ち港」として栄え、50~60隻の船主らが地域で暮らした。地元観光協会の青山治重(はるしげ)会長(70)は「当時の屋敷や町並みは今も残っており、散策を楽しんでもらえる。府県を超えた寄港地同士の連携もできる」と期待を寄せる。

 北前船で「豪商」と呼ばれるまでに成長した高田屋嘉兵衛(たかたやかへえ)は、洲本市五色町都志(つし)の出身。司馬遼太郎さんの小説「菜の花の沖」をはじめ多くの書物にも描かれた。5月12日には「北前船寄港地フォーラム」(神戸新聞社など主催)が淡路市の淡路夢舞台国際会議場であり、北海道や東北も含めゆかりの各地から約500人が集まる。

 その嘉兵衛が拠点とした港が、神戸市兵庫区の「兵庫津」。大阪と並んで北前船の起終点となり、当時の列島経済を支えた。さらに北前船の帆に使われた「松右衛門帆(まつえもんほ)」は、高砂市出身の工楽(くらく)松右衛門が開発。播州特産の木綿糸を織った厚手の帆は、重く耐久性に欠いた従来品から飛躍的に強度がアップ。長い航海を支えた技術は今、高砂発の「松右衛門帆バッグ」として再び脚光を浴びている。(田中陽一、上田勇紀)

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