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復刊されたW・M・ヴォーリズの「吾家の設計」「吾家の設備」
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復刊されたW・M・ヴォーリズの「吾家の設計」「吾家の設備」

 国重要文化財の神戸女学院キャンパス(兵庫県西宮市)などで知られる米出身の建築家W・M・ヴォーリズ(1880~1964年)の主著「吾家の設計」「吾家の設備」が復刊された。

 ヴォーリズは外国伝道を志し、05年に来日。滋賀県近江八幡市を拠点とし、活動資金を得る事業の一つとして建築事務所を設立。ミッションスクールや教会、大丸心斎橋店など商業建築のほか、住宅も各地で手掛けた。兵庫県内には旧諏訪邸(高碕記念館、宝塚市)、旧小寺家山荘(ヴォーリズ六甲山荘、神戸市灘区)などが現存する。

 原著はヴォーリズの講義を基に、23、24年に出版。復刊にあたり、一粒社ヴォーリズ建築事務所による解説、脚注を加えた。

 ヴォーリズは、洋館建築が数を増す時代にあって、健康的でプライバシーのある文化生活のためには台所や寝室から設計する必要があると説く。さらに「家とホームは違う」と、家庭における居間や子ども部屋の重要性を強調。水道や暖房から台所道具や寝具に至るまで、実用的な設備を紹介する。

 古い日本家屋からの改築や20坪程度の小住宅などの実用的な例も解説。関東大震災を受け、改訂版では経済的な耐震耐火の工夫も示す。

 原著の発行元「文化生活研究会」は、生活改善運動を展開し、家政学や女性史研究に影響を与えた団体。大正デモクラシーの社会思潮と共鳴した、ヴォーリズの“住む人本位”の先進的な設計思想がうかがえる。

 創元社刊。各巻2700円。(田中真治)

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